こんにちは、Jfactoryの横塚です。今回はサスペンション選びについてお話したいと思います。 サスペンション交換の主な目的としては、スプリングを交換して車高を下げるということがあります。この場合、車高が低くなったぶん、スプリングが短くなるにもかかわらず、ショックアブソーバーのストロークはそのままなので、バネが遊んでしまうということがありした。そのため、過去にはショックアブソーバーとスプリングは同時交換というのが当たり前でした。

現在では、アイバッハやH&Rなどの大手スプリングメーカーがノーマルショックアブソーバーでも問題ない程度の下がり具合に設定している製品なら、安心して使えると思います。さらにマグネティックライドなどの電子制御ダンパーを生かせるというメリットもあります。

ただし、乗り味や車高の高さの変更はある程度限られていまうので、確認が必要です。

できるだけ自分の理想に近づけたいと思うとしたら、やはり車高調がお勧めです。車高調には大きくわけて2つのタイプがあります。コイルオーバーとフルタップ(全長調整式)です。最近はAudi用としてどちらのタイプも選べますし、どちらが良いというのは断言できないのですが、簡単にいうとコイルオーバーは街乗りに向いていて、フルタップ(全長調整式)はサーキット、そして、超シャコタン向けといえます。

コイルオーバーの代表格として有名なのがKWです。簡単に、Version-1から3までの違いを説明すると、基本的にスプリングレートは同じで、Version-1は減衰力固定式、Version-2は伸び側のみ調整可能、Version-3は伸び側、縮み側とも調整可能でかつPCVが付いています。
PCVは段差を通過したときのドスンというショックなどピストンの早い動きをバルブが逃がしてくれるので、乗り心地がいいと感じられるのが特徴です。またver.3は、車高調整と減衰力調整ができるので自分好みに近づけやすいのが魅力です。

さらにKWはピロアッパー付きのクラブスポーツや純正DCCを生かせるDDC PLUG&PLAY、iPhoneやiPadで減衰調整できるDDC ECU WLAN MODULもあり多くの方に支持されています。

BILSTEINはB14/B16/Clubsportなどがあり B14が車高調整(コイルオーバー)、B16が車高調整と減衰力調整、Clubsportが調整式ピロアッパー付きになります。この他にもB12といって、純正同形状のショックアブソーバーにローダウンスプリングが組み合わされたキットがあります。BILSTEINはクルマによってフロントが倒立式なのが特徴です。
フルタップ式はENDLESS ZEALとアラゴスタが有名です。このタイプはスプリングレートの設定ができるのが特徴で、スプリングのプリロードとストロークを変化させずに車高調整できます。
限界に近いシャコタンにするのもいいしサーキット仕様にするのもいいし、かなり自由につくることができます。根本的にはスプリングレートを決めて、それに合わせて基本の減衰力をつくってもらい、あとは本人が時間をかけてセッティングしていくという感じです。

さて、ここからは注意点ですが、サス交換のときに車高を決めずにブッシュを固定して締めてしまっているケースをよく見かけます。これだと、ブッシュに負担がかかりすぎていて、クルマに1Gがかかっている状態でブッシュがねじれています。そのため、最後にはブッシュがねじ切れてしまいます。

また、アッパーマウントの向きが逆に組んであることがたまにあります。アッパーマウントは向きがあるというのを覚えていてください。

これは当たりまえですが、個人の好みとはいえ、車高を下げすぎるとディーラーに入れないのは覚悟してください。

最後にアライメント調整ですが、サスペンションを交換してアライメント調整したといっても、マルチリンクにもかかわらずフロントトーしか調整していないクルマが多く見受けられます。よくリアが引きずっているという現象はこれです。

基本的にフォルクスワーゲンのマルチリンク車はリアのキャンバーとトーは調整できます。フロントのキャンバーはノーマルアッパーマウントでは調整できないので、フロントサスペンションメンバーの調整で左右差を少なくするという調整方法があります。または調整式ピロアッパー仕様になっているものを使うとキッチリ調整できます。フロントのトーはタイロッドで調整できます。

それらを調整するにはきちんとした4輪アライメントテスターが必要です。せっかくいい脚を入れてもいいタイヤをいれても、アライメントが適正でなければ台無しです。

というわけで、こんな基礎知識を頭に入れてしっかりとつくり込んでいけば、いいホイールとタイヤを入れ、カッコよくキメタAudiを気持ちよく走らせることができます!!

あとは自分好みに仕上げてAudiを楽しんじゃいましょう。

ENJOY AUDI !

(Text by Akira Yokozuka)