このAudi プレミアム スポーツ フロアマットは、アレル物質を吸着し、雑菌の増殖を抑える「プレミアムクリーン」が採用されるのも大きな特徴です。
そのアレルキャッチャーをフロアマットに採用し、付加価値を高めたのがAudi プレミアム スポーツ フロアマットです。この製品に興味を持った1to8.net編集部は、製品の開発・生産を手がける永大化工株式会社を取材することにしました。
4月のある日、編集スタッフはAudi A6で永大化工株式会社の生産ラインがある奈良県香芝市を目指すことに。往復には新東名高速道路を通るルートを使いましたが、
永大化工株式会社は1970年代後半から自動車フロアマットを手がけるこの分野のリーディングカンパニー。Audi車のアクセサリーとしても1992年から採用されています。
その彼らが重視しているのが安全性。とくに「すべらない」「反らない」「(水を)漏らさない」「パイルが抜けない」というポイントに重きを置いているといいます。そこで同社では、独自の基準を設けて商品を開発しています。
たとえば左下の写真はパイルのひっぱり試験を行っている様子。Audi プレミアム スポーツ フロアマットに用いられている素材は、ドイツの純正フロアマット基準と同等の性能を持つように開発されています。一方、右下は剥離(はくり)の試験。ここでも同様に、基布(カーペットのベース)と裏材(裏面)がはがれ強度を測定しています。
下は基布の耐摩耗性を確認しているところ。やすりのついたローラーをフロアマットの基布に当てて、一定数だけ回転させたあとに、重量を測定したり、表面の様子をチェックして摩耗の具合を調べます。Audi プレミアム スポーツ フロアマットに使われている基布は、優れた耐摩耗性が確保されるように開発されたものでした。
ところで、多くのフロアマットは裏材がゴム製ですが、Audi プレミアム スポーツ フロアマットには新たに不織布が用いられています。これはカーペットの基布だけでなく、裏材にもアレルキャッチャー繊維を施し、その効果を高めるためです。さらに、不織布を使ったフロアマットには吸音効果があるとのことです。
また、一般的にゴム製のほうがフロアマットがずれにくいのですが、Audi プレミアム スポーツ フロアマットでは不織布にアクリル樹脂を塗布するなどして同等の性能を得ています。
このように、フロアマットに必要な高い機能を備えたAudi プレミアム スポーツ フロアマットですが、高密度で毛足の長い基布や高級感あふれるデザイン、スポーティなアクセントも大きな魅力です。
しかし、業界トップクラスの高い密度のカーペット繊維と複雑な加工が必要なため、生産は大変なようです。これを実現しているのが、ほぼ手作りといえる作業工程でした。
基布と裏材は独自の機械で貼り合わされ、必要な形状に裁断されます。Audi プレミアム スポーツ フロアマットの場合、高密度で毛足の長いカーペットを使っているので、通常品に比べると裁断にも手間がかかります。
下の写真はフロアマットの縁をかがるオーバーロック縫製の様子。毛足が長いので縁の部分のパイルをあらかじめカットしておくのがポイントだそうです。厚手の素材を使用しているので、この部分だけでも通常品の4〜5倍の作業時間が必要です。
他にも、フロアに固定するためのグロメットやホック、エンブレムの取り付けなど、すべてが手作業。そのため、このAudi プレミアム スポーツ フロアマットは従来品の10分の1程度しか生産できないそうです。
それでも、Audiのプレミアムモデルにふさわしいフロアマットを提供したいと、ひとつひとつの作業にこだわる永大化工のスタッフ。これほどまでに手間をかけるのは、このAudi プレミアム スポーツ フロアマットだけといいます。
このように技術力と職人の技が最高のものを生み出すのは、Audiのクルマづくりによく似ています。
日本人のこだわりが生んだAudi プレミアム スポーツ フロアマット。他のフロアマットに比べると確かに高価ですが、その機能やクオリティを考えれば納得がいくはずです。
今回紹介したAudi プレミアム スポーツ フロアマットについて詳しい情報は、Audi Japanの公式サイトをご覧ください。
(Text by Satoshi Ubukata)