新型Audi A4には、スマートフォンのアプリがMMIで使える「Audi Smartphone Interface」が搭載されています。iPhoneを接続した場合には「CarPlay」が利用できます。この気になる機能を試してみました。 Audi A4でCarPlayを使うには、iPhoneをUSBケーブルで繋ぐだけ。あとは確認のためにMMIのロータリースイッチを何度か押せば、CarPlayがスタートします。

いまのところ、Audi A4で利用できるのは、写真のアプリだけ。「Audi MMI」はMMIの機能に戻るときに使います。


まずはiPhoneの音楽を再生してみます。「ミュージック」を選ぶと、「プレイリスト」「アーティスト」「曲」「アルバム」などからお目当ての曲が再生できます。iPhoneを使い慣れた人にとっては取説を読むまでもなく、直感的に操作できます。取説を見たところで詳しいことは書いていないのですが(笑)


ここでひとつ問題が。CarPlayを使わずにiPhoneを接続して音楽再生する場合(AMI接続)は、マルチファンクションステアリングの操作で選曲ができるのですが(左下)、CarPlayを使うとマルチファンクションステアリングのスイッチでは選曲はもとより曲をスキップしたり、前の曲に戻ったりすることができません。


また、AMI接続ならロータリースイッチを手前に引くと、再生中のプレイリストが表示され、ここでも選曲ができるのですが、CarPlayは再生中の曲が表示されるだけ。もし、選曲したければCarPlayのミュージックの画面を表示させる必要があります。
しかも面倒なのは、CarPlayのアプリ画面からCarPlayのトップ画面を呼び出すには「back」ボタンを長押しすればいいのですが、MMIの他の機能、たとえばラジオや車両の設定画面を開いているときには、MMIのメニューを開いてから「CarPlay」を選択しなければなりません。

つまりスイッチなどでCarPlayをダイレクトに呼び出すことができないのです。「ショートカットボタン」に登録できたら......と期待したのですが、残念ながらできませんでした。


CarPlayのマップも使ってみました。もちろん、走行中に表示されますし、目的地を音声入力で探すことも可能です。ナビ機能も必要十分といったところ。高速道路を1時間ほど走ったときのパケット量は数M〜10Mバイト程度でしたから、長時間使っても安心です。


ただ、地図の拡大縮小にMMIのロータリースイッチが使えなかったり、メーター内にルート案内が表示されなかったり......。また、ヴァーチャルコックピットにはCarPlayの地図は表示されません。
ということで、ナビゲーション機能がついたMMIがあるのにわざわざiPhoneのナビを使う必要は感じられませんでした。Audi A4の場合、Audi connectの機能としてGoogleのオンライン検索が利用でき、これが音声入力に対応しているので、CarPlayを使わなくても簡単に目的地を設定できますからなおさらです。

ちなみにSiriは、マルチファンクションステアリングにある音声対話システムのスイッチを長押しすると起動します。


ナビがオプションだったら、CarPlayはそれなりに重宝するでしょうが、MMIナビゲーションが標準のAudi A4では、最初は面白がってイジったとしてもそのうち使わなくなりそう......というのが私の感想です。

ただ、使えるアプリが増えれば利用価値が高まる可能性はありますので、今後の展開に期待したいところです。

(Text by Satoshi Ubukata)