2015年のことですが、1to8.netのスタッフがまたまま珍しいクルマを手に入れました。4WDの歴史を変えたAudiの名車、「Audi quattro」です! 1980年のジュネーブショーでデビューした「Audi quattro」は、それまで悪路を走るための機構として利用されてきた4WDをスポーツカーの世界に持ち込み、その性能をWRCで証明したAudi伝説のスポーツクーペです。

その後、quattroの名がAudiの4WDシステムを意味するようになったことから、このモデルは「Ur-quattro」(オリジナルクワトロ)とか「ビッグクワトロ」と呼ばれるようになりました。


今回、スタッフが手に入れたのは新車並行の1985年モデル。2.2Lの直列5気筒ターボを積むこのAudi quattro、正規輸入車の価格は1155万円! 当時のポルシェ911カレラの価格が993万円ですから、どれだけ高価なクルマかおわかりいただけるでしょう。

そんな貴重なAudi quattroですが、幸か不幸か古い911ほどの希少価値はないようで、実際このクルマは100万円台の価格で個人売買されたといいます。走行距離16万kmとはいえ、少し寂しい気もします......。


そこで、購入したスタッフは「時間がかかっても、できるだけオリジナルに近づけたい」とレストアを開始......といっても、自分でコツコツできるレベルではないので、ちょっと古い輸入車のメインテナンスに強い「
この日は、今後の作業について大体の内容を打合せ。例によって、ダンパーやブッシュといった足まわりや、ブレーキといった走行に関わる部分はきっちり整備するのはもちろんですが、オーナーとしては快適性や見た目の部分もできるかぎり手を入れたいようです。

社外品が付いたステアリングホイールやシフトレバーもその一部ですし、まったく機能しないエアコンも動くようにして、街乗りができるレベルには持って行きたいとのこと。


シートも生地の張り替えなどを行うことで、気持ちよく乗れるコンディションにしたいようです。また、前オーナーがスピーカーを取り付けるために開けた穴が目立つため、内装の貼り替えも予定しています。

ボディの錆やバンパーの塗装の劣化も悩むところで、部分的に補修するのか、あるいは思い切って塗装しなおすかは、現在検討中だそうです。


それ以外にも整備する箇所は山ほどありそうで、突き詰めればキリがありませんが、このクルマが再び日本の路上を駆け抜ける日が来ることを、オーナーとともに気長に待とうと思います。

レストアの過程をときどきレポートしますので、どうぞお楽しみに!


(Text by Satoshi Ubukata)