フランクフルトモーターショーのアウディスタンドで、e-tron(アウディの電気自動車)のプロジェクト責任者であるFrank van Meel氏にインタビュー。市場投入の時期などを聞いた。

e-tronの発売はいつ?

最初に投入するのがR8 e-tronです。2012年末に発売する予定です。そして、2014年以降、これに続くモデルを投入していきます。

ショー会場では、会場内では、A1 e-tronとA3 e-tronのテスト車両が走っています。ワールドプレミアのA2コンセプトもe-tronです。

これらのプロトタイプについては、お客さまの反応を見ながら市場に投入するかどうかを検討していきたいと考えています。

アウディのシンボルである「シングルフレームグリル」は、ラジエターグリルが不要になるEVではどうなるのでしょう?

e-tronといえども冷却は必要です。高出力のモーターは熱を出しますし、バッテリーも冷やさなければなりません。ほかにも冷却が必要なコンポーネンツはたくさんありますし、キャビンの空調も必要です。だから、e-tronでもラジエターグリルがなくなることはないでしょうね。

電気自動車はわれわれに何をもたらすのでしょう?

それはユーザー次第です。ユーザーがEVに何を求めているかは、実際にEVが発売されたあとにわかってくることです。

ただ、これだけは確実なのは、(自動車が抱える課題に対して)EVが唯一の解決策ではないということです。多様な解決策があるはずです。地域が異なれば解決策も異なります。たとえば、ヨーロッパのように走行距離が長ければディーゼル車が有利ですし、一方、アジアの都市であればEVが、もう少し移動距離が長ければ他の手段が適している......という具合にです。

(Text by Satoshi Ubukata)