アウディデザイン部長のシュテファン・ジーラフ氏が、フランクフルトショーに出展された「アウディ アーバンコンセプト」と「A2コンセプト」について、デザインとはまた違った視点からその特徴を語ってくれた。
まずはアウディ アーバンコンセプトについて。

これは極端なソリューションです。車両重量は480kgと軽く、レイアウトもいままでのクルマとは大きく異なります。クルマというより、スクーターやオートバイに近いものですが、「アウディ=4輪」でありつづけるうえで、究極の4輪と位置づけられるのがアーバンコンセプトなのです。

ASF(アウディ・スペースフレーム)やカーボンにより軽量化を図り、アウディにふさわしいスポーツ性とエモーションを高めました。2輪に代わる移動手段ですが、屋根がありますので雨が降っても大丈夫ですし、冬でも快適に過ごすことができます。いわばスクーターとクルマとを融合させたアーバンコンセプトですが、どちらかといえばクルマに重きをおいています。これ以上軽くしようとするなら、2輪をつくるしかありません。

 

A2コンセプトについては、

A2コンセプトは、単にEVであるというだけでなく、自動運転にも対応したところに注目してほしい。自動運転によって都市の交通の流れは改善されます。このA2コンセプトが"バイワイヤ"技術を用いたのはそのためです。

ますます集中する都市において、いかに交通の問題を解決するか......。こういった議論は、アウディの社内でここ2〜3年にわたり活発に行われていますが、「アーバーフューチャーアワード」の開催により、議論が社外に広がっていきました。その議論はアウディの社員全員に影響を与えており、そこから出てきたのがアーバンコンセプトであり、A2コンセプトというわけです。


(Text by Satoshi Ubukata)