今回Audiは、世界初のレベル3自動運転機能で話題を呼んだ「Audi A8」を北米初公開した。2019モデルイヤーに投入する。
そのAudi A8がステージを飾るかたわらで、艶やかな赤いボディのAudi A5 Cabrioletがディスプレイされているところは、さすがカリフォルニアである。現地の自動車関係者いわく、「もちろん米国でもカブリオレはニッチではあるものの、週末にウエストコーストのドライブを愉しみたい層に根強い人気がある」という。
さらにブースをまわってみる。
Audi A5 SportbackとAudi Q5の脇にトロフィーが飾られているので、見れば「ケリー・ブルーブック」誌による賞だった。同誌は、米国の権威ある新車・中古車のバイヤーズガイドである。創刊は1926年に遡る。日本なら大正15年/昭和元年といえば、いかに古い雑誌がおわかりになるだろう。
参考までに、Audi A5 Sportbackはラクシュリー部門の「Best Buy」、Audi Q5はラクシュリー部門の「ベスト・オートテック」に選ばれた。
もちろん「Audiコレクション」のコーナーも。同コレクションには従来から熊のぬいぐるみが数々存在したが今回は犬もあるではないか。
名前は、その生地にかけて「コーディ・ロイ(コーデュロイ)」。写真では隠れているが、首輪にはフォーシルバーリングスが輝く。価格は29.95ドル(約3400円)である。
いっぽうで、ショー開催前の11月28日に開催された安全に関するトークショーでは、Audiの行政担当部長ブレッド・シュテルツ氏(写真右)が、南ネヴァダの道路行政部長ティナ・クイックレイ氏(写真左)などとともに登壇した。
席上では、ラスベガスで「Audi connect」と連携して、信号が赤から青に変わるまでの時間を表示する「トラフィック・ライト・インフォメーション(TLI)システム」が紹介された。
クイックレイ氏は「信号待ちのあいだ、落ち着いて子供のランチボックスを確認できる」とユーモラスな体験談を明かすと同時に、信号情報と車載情報端末の連携が発展した未来を想定。「無駄なレーンチェンジや加減速もなくなるだろう」として、その効果を強調した。
最後は、ハリウッドも含むLAの街中で見かけたAudiのスナップもお楽しみいただこう。
交差点に立って観察していると、Audiユーザーはそれなりのライフスタイルを送る人たちが多いようで、磨きあげられた車がほとんどである。ショーファー・ドリヴンもたびたび見かける。
会期半ばの2017年12月6日には、Audiに関する続報が飛び込んできた。
ショーにあわせて開催される、女性ドライバーによる自動車大賞「ウィメンズ・チョイス・アワード」においてAudi、それも4モデルが賞を獲得したのだ。
参考までに賞の主催者によると、米国では新車購入者の52%が女性という。
Audi A3 Cabrioletコンバーティブル部門の「エコフレンドリー」および「セイフティ」賞に、Audi A3 Sportback e-tronがハッチバック部門の「エコフレンドリー」賞に、そしてAudi TT CoupeとAudi Q3が、クーペおよびクロスオーバー部門の「信頼性」賞に輝いた。
ちなみにLAが舞台ではないが、2015年のコメディ映画『マイ・インターン』で、アン・ハサウェイ演ずるアパレル通販サイトの女性社長は、ロバート・デ・ニーロ演じる熟年インターンが運転するAudi Q7が移動のお供だった。
Audiが女性の高い支持を得られれば、家庭内のクルマ選びでもAudiが"無投票当選"になる確率が高い。アメリカのAudiファン男性が、なんとも羨ましいではないか。
(文と写真=大矢アキオ Akio Lorenzo OYA)