2016年3月26日、アウディ ジャパンはフルモデルチェンジにより2代目へと進化した「Audi R8 Coupe」を発表し、7月5日から販売を開始する。

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新型Audi R8 Coupeの発表会は、SUPER GTの公式テストが開催されている富士スピードウェイで行われた。セッションの合間を縫って、2台の新型Audi R8 CoupeとAudi Team Hitotsuyamaがテストに持ち込んだAudi R8 LMSがレーシングコースをデモンストレーション走行し、スポーティなエキゾーストノートを場内に響かせたのだ。


発表会にはアウディ ジャパンの斎藤 徹社長(写真下)に加えて、quattro社で商品を担当するアルウィン・ワトキンス氏(冒頭の写真)が会場に駆けつけ、新型Audi R8 Coupeの特徴を語った。


9年ぶりにフルモデルチェンジしたAudi R8 Coupeは、先代同様、エンジンをキャビンの背後に置くミッドシップレイアウトを採用する2シータースポーツクーペで、Audiのフラッグシップスポーツモデルに位置づけられている。


旧型ではアルミのスペースフレーム構造であるASF(アウディ スペースフレーム)により軽量高剛性のボディをつくり上げていたが、新型ではASFのコンセプトを受け継ぎながら、アルミとCFRP(カーボンファイバー)の複合構造とすることでさらなる高剛性化を図った。

ボディサイズは、全長4426×全幅1940×全高1240mmで、これは旧型とほぼ同じ。一方、車両重量は1630〜1670kgに抑えられている。


エンジンはスペックの異なる2種類のV10 5.2L FSIが用意される。最高出力540ps、最大トルク540Nm(55.1kgm)仕様のエンジンを「Audi R8 V10 Coupe 5.2 FSI quattro」に、最高出力610ps、最大トルク560Nm(57.1kgm)仕様のエンジンを「Audi R8 V10 plus Coupe 5.2 FSI quattro」にそれぞれ搭載する。

自然吸気のV10エンジンは、レブリミット8700rpmを誇る高回転型で、0-100km/h加速はR8 V10が3.5秒。ハイパワー版のR8 V10 plusなら3.2秒だ。

もちろん、高効率化にも抜かりはなく、低負荷時にV10の片バンクを休止するCOD(シリンダー・オン・デマンド)やアクセルオフで惰力走行を行うコースティング、さらに、アイドリングストップ機能などを搭載している。

価格はR8 V10が2456万円、R8 V10 plusが2906万円。

Audi R8のフロントマスクは、ロー&ワイドのシングルフレームグリルに加えて、縦のバーを強調したデザインのヘッドライトやサイドのエアインテークにより、Audiのスポーツモデルらしい精悍さを手に入れている。ハニカムパターンのシングルフレームグリルは、R8 V10では艶消しに、R8 V10 plusではグロス仕上げになる。


サイドビューでは、ミッドシップレイアウトを強調するサイドブレードを上下2分割式としたのが特徴のひとつ。2650mmのホイールベースは旧型と同一だが、キャビンを前寄りとすることでエンジンがリヤにあることを印象づけている。


またリヤは、R8 V10 plus(写真上)では固定式のリヤウイングを装着する一方、R8 V10(写真下)では電動格納式のリヤスポイラーを採用する。


トランスミッションは7速Sトロニックを採用。一方、quattroは従来のビスカスカップリングに代えてハルデックスカップリングを用いることで、より適切な駆動力配分を実現している。


インテリアは旧型同様、フォーミュラカーのコックピットをイメージしたモノポストデザインを採用する。アウディ ドライブセレクトを標準装着し、ステアリングホイールのサテライトスイッチにより切り替えが可能だ。


R8 V10ではさらにエンジンスタート/ストップスイッチが、また、R8 V10 plusではエキゾーストサウンドとドライ/ウェット/スノーを切り替えるパフォーマンスの設定スイッチが追加される。
メーターパネルはフルデジタルのアウディ ヴァーチャルコックピットを採用。MMIモニターを兼ねる液晶ディスプレイには、ナビゲーションやインフォテインメントシステムの情報なども表示可能だ。また、LTE対応のAudi connectも標準装着される。


アウディ ジャパンでは、この新型Audi R8を今後展開する「Audi Sport Store」を通じて販売する。2016年は約120台の販売を予定している。

(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Satoshi Ubukata, Audi)