海外試乗記はこちら 2011年の東京モーターショーで世界初公開(ワールドプレミア)となったA1スポーツバックが、ついに日本で発売になった。
アウディが「A0セグメント」と呼ぶサブコンパクトカー市場にこのA1を送り込んだのは、販売台数の増大に加えて、新規顧客の開拓と若い世代への顧客層の拡大という目的があった。
購入者の世帯人数は2名以下が5割を占め、独身や若いカップルが中心だという。一方、ファミリー層にとっては、2ドアというボディタイプだけになかなか購入に踏み切れないというのが現実だろう。そこで、A1のスポーティさや上質な仕立てはそのままに、より機能的な5ドアモデルとして投入されたのがA1スポーツバックなのだ。
A1スポーツバックは、3ドアと同じ3970mmの全長を維持しながら、4ドア+テールゲートを備えた機能的なデザインを手に入れている。3ドアのスポーティさを失なわず、リアドアの後方にクォーターウインドーを加えることで3ドアとは異なる雰囲気をつくりあげたのが特徴だ。ちなみに、フロントマスクやフロントフェンダー、ボンネット、そして、フロントウインドーなどは3ドアとスポーツバックで共通である。
インテリアも基本的には3ドアのデザインを受け継いでいる。エアコンの吹き出し口や内装のカラーコーディネートも可能である。
スポーツシートやスポーツサスペンション、215/45R17タイヤ+アルミホイール、LEDインテリアライトパッケージ、パドルシフト付き本革巻き3本スポークステアリングホイールなどが含まれる"スポーツパッケージ"(15万円)が用意されるのも3ドア同様である。ただし、3ドアのスポーツパッケージに"上乗せ"できるコンペティションパッケージはA1スポーツバックでは設定されない。また、オープンスカイルーフも用意されない。反対に、3ドアにオプション設定されるアドバンストキーシステムは、このA1スポーツバックでは標準で装着される。
MMIは、ナビゲーションなしの「MMIベーシック」を標準装着する。ナビゲーションシステムやETC、地デジなどが追加される「MMI 3Gプラス」はオプション(26万円)。BOSEサラウンドサウンドシステムは受注生産オプションである。
(Text by Satoshi Ubukata)