Audi A8は、1988年に登場した「Audi V8」の後継モデルとして1994年に初代がデビューした。最新モデルは、Audi V8から数えて5世代目にあたるため、社内コードは「D5」となる。
初代Audi A8は、量産車としてはじめてオールアルミボディを採用して、Audiの「Vorsprung durch Technik(技術による先進)」を印象づけるモデルとなったが、新型Audi A8もまたさまざまな最新技術により、フラッグシップサルーンにふさわしいクルマに仕立て上げられている。
たとえば、ボディには引き続きASF(アウディ スペースフレーム)を採用するが、新型ではアルミに加えて、カーボンファイバーやマグネシウム、スチールを組み合わせることで、軽量・高剛性のボディをつくりあげている。
ドライバーアシスタンスシステム(運転支援システム)では、量産車としてはじめて「レーザースキャナー」を採用。近距離の物体を高い精度で広範囲に検出するレーザースキャナーを、これまでのミリ波レーダーや超音波センサー、カメラなどと併用することで、衝突被害軽減ブレーキやアダプティブドライビングアシスタント(ADA)などの動作精度を高めている。
なお、アダプティブドライブアシスタントはアダプティブクルーズコントロール、アクティブレーンアシスト、トラフィックジャムアシストを統合した機能だ。
パワートレインでは、3L V6直噴ターボの3.0 TFSI(340ps)と4L V8直噴ツインターボの4.0 TFSI(460ps)のいずれにも、48V電源システムによるマイルドハイブリッド ドライブ(MHEV)を組み合わせている。これにより、減速時のエネルギー回生能力を高めるとともに、55〜150km/hでコースティング(惰力走行)する場面でエンジンをオフにし、さらなる燃費向上を図っている。
トランスミッションは8速ティプトロニックで、セルフロッキングセンターディファレンシャルを有するquattroにより4輪を駆動。サスペンションは全車にアダプティブエアサスペンションが搭載される。また、可変ギヤレシオのダイナミックステアリングと4輪操舵を組み合わせたダイナミック オールホイールステアリングがオプションで用意される。
ユーザーインターフェイスでは、フルデジタルメーターの「アウディ バーチャルコックピット」に加えて、2つのタッチスクリーンで構成されるインフォテインメントシステム「MMIタッチレスポンス」を採用。上下2つのタッチパネルにより、シンプルなデザインと直感的な操作を可能としている。
新型A8のデザインは、2014年に発表されたコンセプトカーの「Audi prologue」のアプローチを受け継ぐ。張りのある大きな面とシャープなエッジ、幅広く直立した新デザインのシングルフレームグリル、シャープな形状のヘッドライトなどにより、精悍さと優雅さを表現している。
新型A8は、標準モデルに加えて、ホイールベースが130mm長い「A8 L」を用意。ラインアップは以下のとおりで、
(Text by Satoshi Ubukata)
(Text by Satoshi Ubukata)