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Audi A4 2.0 TFSI quattro sportに搭載されるのは、最高出力252ps、最大トルク370Nmを誇る2L直列4気筒直噴ターボだ。この2.0 TFSIエンジンは、A6やA7、さらには、Q7にも搭載されるもので、その必要十分なパフォーマンスは確認済み。これを、よりコンパクトなAudi A4に採用するのだから、その実力は推して知るべし!?"バイワイヤ"によりシフトパターンが新しくなった7速Sトロニック。新デザインのシフトレバーを操作してDレンジを選び、さっそく走り出せば、2.0 TFSIは予想どおり余裕たっぷりの加速を見せる。
しかも、このエンジン、1000rpmを少し上回ったくらいから豊かなトルクを示し、2Lという排気量を疑いたくなるほど力強いのだ。常用する2000rpm以下でも、発揮するトルクやアクセル操作に対するレスポンスに申し分ないが、さらに右足を踏み込むと2500rpmを超えたあたりから勢いを増し、6000rpm超の高回転まで気持ちのいい加速が続くのだ。
そんなときでも、4つのタイヤが路面をしっかりと捉え、涼しい顔のままアクセルペダルを踏み続けられるのは、quattroの為せるワザ。FFやFRでは、なかなかそうはいかない。
7速Sトロニックは発進からスムーズで、シフトの素早さ、マナーの良さも従来型を明らかに凌いでいる。キャビンの静粛性も従来より確実に向上していた。
quattroは直進安定性も抜群で、それでいてハンドリングは旧型以上に軽快になった。といっても、コーナーでの粘るような接地性は健在。電動パワーステアリングのフィーリングが向上したのもうれしい。のんびり走るときも、スポーティに攻めるときも、ドライバーの期待を裏切ることはない。
気になったのはその乗り心地。sportではスポーツサスペンションが標準となり、さらにS lineでタイヤが1インチアップしたのが影響しているのだろう、乗り心地がやや硬めで、荒れた路面を通過するときなどにはショックを遮断しきれないこともあった。見た目ではsport、あるいは、sport+S lineはとても魅力的だが、乗り心地を重視するなら、スタンダードを選んだほうが無難かもしれない。
その点、スタンダードのAudi A4 2.0 TFSIは、オプションの17インチホイールで1インチアップしていても乗り心地は穏やかで、それでいてフラット感は上々と、絶妙なバランスを誇っている。それ以上に感心したのがFFならではの軽快感だ。quattroよりも120kg軽いこともあり、動きだしは軽やかで、軽快なハンドリングもquattro以上に際立っていた。
その点、スタンダードのAudi A4 2.0 TFSIは、オプションの17インチホイールで1インチアップしていても乗り心地は穏やかで、それでいてフラット感は上々と、絶妙なバランスを誇っている。それ以上に感心したのがFFならではの軽快感だ。quattroよりも120kg軽いこともあり、動きだしは軽やかで、軽快なハンドリングもquattro以上に際立っていた。
しかも、この新型は高速走行時の安定感が格段に向上しており、quattroに迫る勢いである。
そうなると、気になるのは新開発エンジンのパフォーマンス。"ミラーサイクル"の採用により18.4km/Lという低燃費を実現したのはいいが、走りが頼りなくては魅力は半減してしまう。
結論からいえば、この2.0 TFSIは思いのほかトルクに余裕があり、低回転でも不満のない加速を見せるし、2000rpmを超えたあたりからは従来の2Lよりも明らかに力強い加速を示したのだ。さらに、CVTのマルチトロニックに代えて、FFにもSトロニックを採用したことから、アクセル操作に対してクルマの動きがダイレクトになり、旧型以上に運転が楽しくなった。
細かいことをいうと、アクセルをオフしてすぐにオンという場面では、quattroの2.0 TFSIと比べてワンテンポ反応が遅いとか、1500rpm前後でややエンジン音がこもりがちといったこともあるが、慣れれば気にならないレベルだ。
ということで、短時間の印象としては"予想以上の出来映え"といえる新型Audi A4。もちろんAudiのお家芸であるquattroの魅力は認めつつも、もし私が買うなら、FFのスタンダートのグレード、Audi A4 2.0 TFSIだ。これに、マトリクスLED+アウディ バーチャルコックピット、そして、さらに磨きがかかったBang&Olfsen 3Dアドバンストサウンドシステムをオーダーしたい。
それはさておき、MMIや各種アシスタンスシステムのチェックができなかったことから、機会を見て新型Audi A4をじっくり試乗したいと考えているので、追加のレポートもお楽しみに!
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Hisashi Uemura)