アウディA1は全長3.95mのスポーティなフォルムが特徴の3ドアハッチバックモデル。そのコンパクトさとクーペのようなルックスを受け継ぎながら、後席への乗降性を向上させるために2枚のリアドアを追加したのがこのA1スポーツバックである。
3ドアと並行して開発が進められてきたA1スポーツバックは、コンパクトなボディがもたらす運転のしやすさを活かすために、全長は3ドアとまったく同じ3.95m。ホイールベースも同一である。一方、後席の居住性を高めるために、全高は6mmプラスされ、ルーフを後ろに伸ばしすことで3ドア以上のスペースを確保した。
3ドアに対して、Bピラーの位置が240mm前に移され、リアドアが追加された。当然、フロントドアのドアハンドルも前に移動。その位置が、3ドアのときよりも外側に膨らんでいたため、全幅が6mm拡大したという。
「ワゴンのようなフォルムにはしたくなかった」と担当デザイナーがいうように、A1スポーツバックは3ドアと変わらぬスポーティで凝縮感のあるエクステリアに仕上がっている。A3スポーツバックが、ワゴンのような印象を受けるのとは対照的だ。
3ドアのA1同様、A1スポーツバックでも、2トーンペイントの"コントラストルーフ"をオプションで選ぶことができる。3ドアがルーフアーチのみ色が変わるのに対して、このA1スポーツバックはルーフ全体が別の色にペイントされている。これは、3ドアと5ドアの差別化を図るという意味もあるのだが、6mm高くなったA1スポーツバックのルーフを低く見せる効果があるのだとデザイナーが教えてくれた。確かに遠目には3ドアと変わらぬ印象を受ける。デザイナーの巧みなテクニックの成せる技、というわけだ。
ちなみに、A1とA1スポーツバックでは、フロントドアから前のデザインは共通。さらに、テールゲートのガラスより下の部分も同じデザインを採用している。
後席は従来の2人掛けに加えて、3人掛けが選べるようになっている。日本には3人掛けのリアシートを持つ5人乗りモデルが導入されることになるはずだ。
身長168cmの僕が運転席で適切なポジションをとったあとにリアシートに移ると、足首あたりが多少窮屈とはいえ、膝のまわりには十分なスペースが確保されるし、頭上にもこぶしが縦に1個入るくらいの余裕が残されている。シートは薄っぺらな印象はなく、座り心地は予想以上。走行中も、とくに突き上げが気になることはない。
Part2へ続く......
(Text by Satoshi Ubukata)