新型A5シリーズでは、アウディの顔であるシングルフレームグリルをはじめ、ヘッドランプやフォグランプの形状が変更され、いままで以上にシャープな印象になった。
モデルサイクルの途中で、新しいステアリングシステムを採用するとはなかなか大胆だが、そこまでして燃費向上を図ろうというのが、なんとも技術のアウディらしいではないか!
さて、今回試乗したのは「アウディA5スポーツバック2.0TFSIクワトロ」で、オプションのS-lineパッケージが装着されたモデル。エンジン、サスペンション、ステアリングの特性が変更できる「アウディ ドライブセレクト」も装着され、電子制御の可変ダンパーや、走行状況にあわせてステアリングギア比が変更されるダイナミックステアリングがセットで搭載されている。
さっそく走り出すと、以前にも増してボディのしっかり感が高まっていて、単にデザインを手直ししただけのマイナーチェンジではないことを実感。S-line専用スポーツサスペンションは、余分な動きをしっかりと抑え込むスポーティな味付けながら、快適さを犠牲にせず、しなやかな足さばきを見せてくれる。最近のS-lineは、乗り心地とハンドリングのバランスに感心させられることが多いが、このA5スポーツバックも例外ではなかった。
最高出力211ps、最大トルク350Nm(35.7kgm)を発揮するエンジンはも、相変わらず力強く、2L直列4気筒とは思えない加速を示す。電動パワーステアリングは、これまでの油圧式に比べて、ステアリングを少し切ったときにセンターに戻そうという力が強くなり、そのぶん高速では直進安定性が高まる印象。ダイナミックステアリングも、初期のものはダイレクト感がやや乏しかったが、いまではしっかりとした手応えを示している。
"チョイ乗り"ということで燃費については確認できなかったが、あらゆる部分で正常進化したA5スポーツバック。機会を見つけてじっくりとドライブしたいと思うが、あまりじっくり乗っていると"本気"になりそうで怖い(笑)
(Text by Satoshi Ubukata)