まず今回は上級モデルのA6アバント 3.0 TFSI クワトロでその出来映えをチェックすることにした(本当は時間の関係で1グレードしか乗れなかったのだが......)。
全長4940×全幅1875×全高1495mmのボディは、数字だけ見るとかなり巨大に思えるし、実際、目の前にあるととても立派なサイズだが、少し離れた場所から眺めると、全長と全高のバランスが絶妙なのか、A4アバントよりもスポーティかつスタイリッシュに見える。
セダンよりも10mm長く、30mm背の高いアバントは、同じエンジンを積むグレードどうしで比べると、セダンに対する重量増はわずか40kg。ということは......
アウディが世に送り出すいまどきのステーションワゴンだけに、セダンにくらべて明らかにボディがユルイなんてことはなく、40kgの重量増も最高出力310ps、最大トルク440Nm(44.9kgm)の3.0 TFSIエンジンの前では誤差みたいなもの。そう、結論からいってしまえば、A6 アバント 3.0 TFSI クワトロは、セダンに負けず劣らずスポーティで快適なクルマだった。
強力なエンジンに7速Sトロニックが組み合わされたA6アバントは走り出しが軽快でスムーズ。「4.2L V8に匹敵するエンジン」といわれるのも頷ける。低回転からグゥーっと効くスーパーチャージャーが大排気量エンジンのような太い低速トルクを発揮するのだ。飛ばすのでなければ2000rpm以下キープでも十分に流れに乗れる。ドライバーとしてはゆったり、のんびり運転できるから、街中でもリラックスできる。
高速の合流や追い越しなどの場面では、少し強めにアクセルペダルを踏みつけてやれば、最大トルクを発揮する2900〜4500rpmあたりを使ってグイグイ加速していく。さらにスポーティに走らせたいなら、アクセルを全開、あるいはパドルで低いギアを選んで高めのエンジン回転をキープ。スーパーチャージャー付きとはいえ、低中回転域だけでなく高回転も得意な3.0 TFSIエンジンだから、レブリミットまで気持ちよく吹け上がり、期待どおりの加速を見せてくれるはずだ。
オプションの
(Text by Satoshi Ubukata)