決勝前日の15日には、ノックアウト方式の予選が行われた。ここSUGOでは、GT300クラスにかぎり、A/Bの2グループにわかれて10分間のQ1が行われ、上位各7台がQ2に進出する形式が採用される。
Audi Team Hitotsuyamaはリチャード・ライアン選手がQ1のBグループに登場。Q1開始まもなくクラッシュで止まった車両があり、セッションは赤旗中断。再開後の残り時間は9分間だった。ライアン選手はアタック1周目で1分18秒784をマークし、堂々トップに。これを更新する者は現れず、21号車のHitotsuyama Audi R8 LMSはQ1のBグループをトップタイムで通過することになった。
続くQ2は富田竜一郎選手が1分18秒707で6番手になり、3列目のスターティンググリッドを手に入れている。
一方、Team TAISANは22番手からのスタートとなった。
翌16日の午後2時5分には決勝レースがスタート。前半を担当するライアン選手は、危なげなくスタートを決めると、1周目には5位、2周目には4位にポジションを上げ、さらに12周目には表彰台圏内の3位に浮上し、その好調ぶりを見せつけることに。
そして、前を行く10号車のGAINER TANAX triple a GT-Rを追撃しようとした矢先の17周目、最終コーナーで左リヤタイヤがパンクし、緊急のピットストップを余儀なくされた。タイヤ交換後、21号車はコースに復帰したが、パンクにより左リヤのインナーフェンダーが破損していて、それがタイヤに干渉したため再度ピットイン。これにより、Audi Team Hitotsuyamaは勝負の権利を失うことになった。
マシーン修復後は富田選手が上位勢とほぼ同じタイムで周回を重ねるが差を縮めることはできず、結局、21号車のHitotsuyama Audi R8 LMSはトップから8周遅れの23位でレースを終えることになった。
一方、Team TAISANは20位で完走。優勝はポールポジションからスタートした61号車のSUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が獲得している。
レース後、Audi Team Hitotsuyama代表の一ツ山亮次氏は、「今シーズンは6戦で3回もタイヤトラブルに泣かされています。こうなると運、不運の話ではないので、ダンロップとは次のレースまでに何ができるのかをしっかり話し合って、残りのオートポリスともてぎでは、良い結果を出したいと思います」と悔しさを隠しきれずにいた。
次戦は、10月20日、21日にオートポリスで開催される。Audi R8 LMSが比較的得意とするコースだけに、ノートラブルで今季初表彰台の獲得を期待したい。
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Satoshi Ubukata, GTA)