1000kmレースとしては最後になるということ、また、元F1チャンピオンのジェンソン・バトン選手がGT500クラスにドライバーとして参戦するなど豊富な話題も手伝って、ここ鈴鹿サーキットには日曜日だけでも4万5000人のファンが集結し、グランドスタンドをはじめ、多くの観戦エリアから熱い視線が注がれることになった。
決勝前日は早朝こそにわか雨に見舞われたものの、その後天候は回復に向かい、14時35分からの予選はドライコンディションで迎えることができた。ノックアウト方式による予選では、Audi Team Hitotsuyamaはリチャード・ライアン選手がQ1を担当し、1分51秒517のタイムで10番手でQ2へと進出。Q2を担当した柳田真孝選手はタイムアタック中にミスがあり、13番手からのスタートになった。
#26 TAISAN SARD R8 FUKUSHIMAはクリスチャン・クリエン選手がQ1を担当したが、24番手でQ2進出はならなかった。
決勝当日は朝から夏らしい強い日差しが差し、ドライバーにも、マシーンにとっても厳しいレースが予想された。12時38分、レースはローリングスタートにより戦いの火蓋が切られた。
Audi Team Hitotsuyamaは柳田選手がスタートドライバーを務める。柳田選手は序盤こそポジションを落としたものの、その後は順調なペースで周回を重ねることに。ただ、予選で使用した柔らかめのタイヤが早々に厳しいコンディションとなり、早めにライアン選手に交替。チームは硬めのタイヤを選び、ライアン選手をコースに送り出した。
ライアン選手は早めのペースで徐々にポジションをアップしていくが、最終コーナーでストップした車両を排除するためにセーフティカーが導入されると、運悪く同じタイミングで#21 Hitotsuayma Audi R8 LMSの左リヤタイヤにパンクが発生。ここでピットインすればペナルティは避けられないが、走行を続けるのは難しいことからやむを得ずマシンをピットに戻し、柳田選手にステアリングを託した。
ここでのロスを取り戻すべく、柳田選手も速いペースで周回を重ねる。途中、60秒のペナルティストップを経てポジションの回復を狙うが、ここで再び左リヤタイヤがパンクに見舞われ、#21 Hitotsuayma Audi R8 LMSはほぼ最下位まで順位を落とすことになった。
さらに不運は続き、ライアン選手に交替後しばらくしてエンジンが吹け上がらない症状が発生。そしてついにエンジンがストップ。ライアン選手はなんとかエンジンを再始動し、マシンをピットまで運んだものの、原因不明の電気系トラブルには手の施しようがなく、Audi Team Hitotsuyamaはレース中盤、72周でリタイヤになった。
もう1台の#26 TAISAN SARD R8 FUKUSHIMAもタイヤバーストが原因でマシンにダメージを受け、47周でリタイヤとなった。
さらに不運は続き、ライアン選手に交替後しばらくしてエンジンが吹け上がらない症状が発生。そしてついにエンジンがストップ。ライアン選手はなんとかエンジンを再始動し、マシンをピットまで運んだものの、原因不明の電気系トラブルには手の施しようがなく、Audi Team Hitotsuyamaはレース中盤、72周でリタイヤになった。
もう1台の#26 TAISAN SARD R8 FUKUSHIMAもタイヤバーストが原因でマシンにダメージを受け、47周でリタイヤとなった。
その後レースは、#65 LEON CVSTOS AMGが終盤にトップに立ち優勝した。
レース後、チーム代表の一ツ山亮次氏は、「気温も高く、長距離のレースですから波乱の展開になることは予想していましたが、自分たちのチームにこれほどのトラブルが続くことは想定外でした。2度のスローパンクチャーがあり、1度目はセーフティカー走行中に発生したためピットインを余儀なくされ、ペナルティを課される不運が続きました。原因はまだわかっていませんが、最後はシフトチェンジができなくなるなど、電気系のトラブルに見舞われるまさかの展開でした。しかし次戦のタイは相性のいいコースです。海外ラウンドのため、準備の時間も限られますが、早急に立て直して確実にポイントが取れる体制でのぞみたいと思います」と述べ、タイでの健闘を誓った。
次戦は10月7日、8日にタイのチャン・インターナショナル・サーキットで行われる第7戦。Audi R8 LMSにとっては相性の良いサーキットだけに、入賞を期待したい。
(Text & Photos by Satoshi Ubukata)