2017年4月9日、岡山県の岡山国際サーキットにて2017 AUTOBACS SUPER GT Round 1「OKAYAMA GT300km RACE」の決勝が行われ、Hitotsuyama Audi R8 LMSは14位で完走した。 2017シーズンのGT300クラスは30台がエントリー。このうち、「ベントレー・コンチネンタルGT3」とマザーシャシーを採用する「トヨタ・マークX MC」、そして、モデルチェンジした「レクサスRC F GT3」が今シーズンのニューフェイスだ。

Audi勢では、昨年同様、Audi Team HitotsuyamaとTeam TAISAN SARDがAudi R8 LMSで参戦。ドライバーは、Audi Team Hitotsuyamaがリチャード・ライアン選手と柳田真孝選手、Team TAISAN SARDは山田真之亮選手とジェイク・パーソン選手が務める。


決勝前日の8日午後にはノックアウト方式による予選が行われた。午前中の公式練習中、電気系のトラブルでコース上にストップしたHitotsuyama Audi R8 LMSは、車両牽引中に牽引フックがフレームごと外れるというアクシデントに見舞われ、ドライコンディションで走行できないまま予選を迎えることに。それでも、Q1を担当したライアン選手は1分26秒838の12番手タイムでQ2進出を決める。そしてQ2では、柳田選手が1分27秒896のタイムで12位のポジションを守った。

一方、Team TAISAN SARDはQ1を担当する山田選手の1分28秒186は25番手タイムとなり、Q2進出はならなかった。ポールポジションは、LEON CVSTOS AMGの黒澤治樹/蒲生尚弥が獲得している。


決勝が行われる9日は、その直前のウォームアップランで、Hitotsuyama Audi R8 LMSに不運な出来事が起こる。バックストレートエンドのヘアピンカーブで後続車がHitotsuyama Audi R8 LMSの右リヤに追突、ボディとサスペンションにダメージを負ってしまったのだ。スターティンググリッドに辿り着けない場合はピットスタートになるだけに、急ピッチで修復を進め、グリッド上でも作業を続けた結果、なんとか本来のポジションからスタートすることが可能となった。


決勝は14時50分にスタート。フォーメーションラップ中にGT500の先頭車両がストップしたことから赤旗中断、セーフティカー先導によりスタートは仕切り直しに。さらにスタート直後の6周目から10周目にかけてセーフティカーが導入されるなど、波乱の幕開けとなった。

そんな中、Hitotsuyama Audi R8 LMSは第1ドライバーのライアン選手が地道に周回を重ねていくが、ドライコンディションでの走行が短かったことからタイヤの選択がうまくいかず、14番手まで順位を落としてしまう。

47周を終えたところで柳田選手に交替。ニュータイヤでコースに復帰したHitotsuyama Audi R8 LMSは、柳田選手がなんとかポジションをキープ。ところが、ファイナルラップで今度はパンクに見舞われる。それでも、Hitotsuyama Audi R8 LMSはたび重なるトラブルをはねのけ、14位のまま完走を果たした。

一方、TAISAN SARD R9 FUKUSHIMAはトップから2周遅れの21位でレースを完走している。優勝は、2番手スタートのグッドスマイル 初音ミク AMGを駆る谷口信輝/片岡龍也選手。


レース後、Audi Team Hitotsuyama代表の一ツ山亮次氏は、「たび重なるトラブルを乗り越えて完走できたことが、チームにとっては何よりの収穫です。次の富士は500kmと長いレースですので、しっかりと周回を重ねて上位、できれば、表彰台を目指したいと思います」と語った。

今シーズンからAudi Team Hitotsuyamaに加入した柳田選手もAudi R8 LMSに慣れてきただけに、次戦の富士は良い結果を期待したい。

(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Satoshi Ubukata, GTA)