決勝前日の5月20日には、ノックアウト方式の予選が行われた。上位14台が次のステージへの進出を果たすQ1に、Audi Team Hitotsuyamaはリチャード・ライアン選手を起用。Q1突破は確実と思われていたが、タイムは伸び悩み、トップ差2秒014で19番手に沈む。
のちにタイヤの内圧が上がっていなかったことが原因と判明するが、Audi Team Hitotsuyamaとしては出端をくじかれる結果となる。
一方、TAISAN SARD R8 FUKUSHIMAは25番グリッドからのスタートに。ポールポジションは、VivaC 86 MCの松井孝允/山下健太組が獲得している。
決勝当日も好天に恵まれたオートポリス。14時にスタートするレースは、柳田真孝選手が第1スティントを担当。Hitotsuyama Audi R8 LMSでは初めてスタートドライバーを務める柳田選手だったが、着実にローリングスタートを決め、序盤から攻めようとした矢先、コース上に停車したマシンを排除するためにセーフティカーが導入されてしまう。
13周目にはレースは再開され、柳田選手は直後に自己ベストを叩き出すなど調子を上げていくが、ポジションアップは難しい状況だった。
28周を終えたところでドライバー交替のためにピットイン。ところが、隣接するピットのマシンにタイヤバーストが発生し、Audi Team Hitotsuyamaのピット前でマシンを停めてしまう。オートポリスのピット作業エリアはもともと狭いが、立ち往生した他のマシンのため、Hitotsuyama Audi R8 LMSはマシンの出し入れに手間取り、10秒以上のロスを強いられる結果となった。
その後、ライアン選手は上位ポジションのマシンと互角のラップタイムを叩き出し、着実にポジションをアップしていく。そして、迎えたファイナルラップでは、15番手から2つポジションを上げて13位でゴールした。
優勝はVivaC 86 MCの松井/山下組。TAISAN SARD R8 FUKUSHIMAは14番手でレースを終えた。
レース後、Audi Team Hitotsuyama代表の一ツ山亮次氏は、「Q1のミスとピットストップの不運がなければポイントが獲れたかと思うと残念ですが、ダンロップが用意した新しいタイヤのパフォーマンスは良かったし、最後の最後にリチャードが同じAudi R8 LMSを抜いて帰って来たのはうれしかったですね。次の菅生はテクニカルコースということで、Audi R8 LMSとの相性は悪くないはずですので、最低でもトップ6を狙っていきたいですし、表彰台獲得も十分あると思っています」と語った。
次戦の菅生は7月22日〜23日の開催。
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Satoshi Ubukata, GTA)