2017年8月6日、静岡県の富士スピードウェイにて2017 AUTOBACS SUPER GT Round 5「FUJI GT 300km RACE」の決勝が行われ、Hitotsuyama Audi R8 LMSは10位で完走、今季初入賞を果たした。 今季に入り、不運続きで入賞を逃していたAudi Team Hitotsuyamaが、念願のポイントを獲得した。

決勝前日の5日、この日は公式練習と公式予選が行われたが、#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSは午前中の公式練習でクラス4番手のタイムをマークし、予選での活躍が期待された。ところが、リチャード・ライアン選手が担当したQ1では、1分38秒901のベストタイムが14位のマシーンにコンマ017秒及ばず、まさかのQ1敗退、15番手からのスタートとなってしまう。予想したよりも低い気温/路面温度に、用意されたダンロップタイヤがそのパフォーマンスを発揮しきれなかったという見方が強い。

一方、#26 TAISAN SARD R8 FUKUSHIMAはQ2進出を果たし、Q2では13番手のポジションを手に入れた。GT300クラスのポールポジションは#55 ARTA BMW M6 GT3の高木 真一/ショーン・ウォーキンショーが獲得している。


6日は雲が広がる天候とはいえ、ドライコンディションで決勝スタートの15時25分を迎える。

#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSは柳田真孝選手がスタートを担当。ローリングスタートで戦いの火蓋が切られた決勝は、直後に前を走る車両が接触し、早くも1台がコースサイドに停止する混乱がある一方、#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSが思うようにタイヤが温まらないことなどから、柳田選手は一時20番手までポジションを落とすことになった。


タイヤが温まってからは、着実に周回を重ねる柳田選手だったが、中団からなかなか抜け出せない状況もあって、チームは早めのピットストップを決断、26周が終わったところでライアン選手へ。

ステアリングを託されたライアン選手は、ドライバー交替直後はタイヤを温存する作戦でペースを抑えていたが、レースが終盤に近づく上位チームとほぼ同じペースで周回を続け、15〜6番手から11位に。さらに残り数周で前を走る#18 UPGARAGE BANDOH 86を捉えて10位にポジションアップ。そのままゴールを切り、今季初ポイントをチームにプレゼントした。

一方、#26 TAISAN SARD R8 FUKUSHIMAは19位完走。GT300クラス優勝は、#55 ARTA BMW M6 GT3がポールトゥウイン。さらに、GT500クラスも#8 ARTA NSX-GTがポールトゥウインと、同じチームがポールトゥウインを果たしている。


Audi Team Hitotsuyama代表の一ツ山亮次氏は、「まずはポイントを獲得することができて、ホントにホッとしています。とにかくシーズンの前半は流れが悪かっただけに、今回ポイントを獲得してチームメンバーの表情も明るくなりました」とコメントし、確かな手応えを感じたようだ。

次戦は8月27日、鈴鹿サーキットで開催される伝統の1戦「鈴鹿1000km」。長丁場に強いAudi R8 LMSだけに、着実な走りでさらに上のポジションを目指してほしい。

 (Text by Satoshi Ubukata / Photos by Satoshi Ubukata, GTA)