予選では、ポルシェ、トヨタを抑えて、Audiの2台がフロントロウを独占。ポールポジションを獲得したのはファスラーとロッテラーの#7で、2位が#8。そして、3位が#1 ポルシェ919ハイブリッド(ティモ・ベルンハルト/マーク・ウェーバー/ブレンダン・ハートレー)、4位が#2 ポルシェ919ハイブリッド(ロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブ)。これにトヨタ勢の#6と#5が続いた。
決勝では、序盤にトップに立った#7のAudiがレースをリードする一方、#8のAudiと2台のポルシェが激しい争いを演じる展開に。その後、#2のポルシェが接触、#1のポルシェがスローパンクチャーに見舞われたこともあり、レース開始から2時間後には#7と#8のAudiが1-2体制を築く。
ところが、スタートから3時間目にアクシデントによるフルコースイエローがあり、ピットインのタイミングの違いからAudi勢はポルシェの2台に先行を許してしまう。
終盤にはトップを走る#2のポルシェが他車と接触し、これが原因でドライブスルーペナルティに。これで#1のポルシェがトップに立ちレースをリード。Audi勢は、#2のポルシェを捉え、#8が2位、#7が3位でレースを終える結果になった。
レース後、アウディモータースポーツ代表のDr. ウォルフガング・ウルリッヒは「われわれは、ライバルたちよりも優れたラップタイムで走行していましたが、不運にもコーションピリオドにより勝利のチャンスを失う結果となってしまいました」とコメント。
また、アウディスポーツLMPプロジェクトリーダーのDr. ウルリッヒ・ステファン・ドライヤーは「ライバルに大きくアドバンテージを取られたときも、決して諦めることなく闘いを挑み続けたドライバー達やチーム全員を、褒め称えたいと思います。今回のFIA WEC戦は、ドイツの皆さまに耐久レースの醍醐味を改めて示すことで、多くのファンの皆様に感動的な体験を提供する素晴らしいレースとなりました。今日、われわれは優勝獲得を目標としていました。サーキットに来ていた者だけでなく、ネッカーズルムで支援作業をしていた者を加えたすべてのチーム員は、素晴らしい仕事をしていました」と語った。
次戦は、9月3日にメキシコ6時間が開催される。
(Text by Satoshi Ubukata)