2016年9月3日、WEC第5戦「メキシコ6時間」の決勝が行われ、マルセル・ファスラー/アンドレ・ロッテラー組の#7 Audi R18が2位でゴールした。 Audiの布陣は前戦同様、#7(7号車)をマルセル・ファスラーとアンドレ・ロッテラーの2名が、#8(8号車)をルーカス・ディ・グラッシ、ロイック・デュバル、オリバー・ジャービスの3名がそれぞれ担当する。

予選では、#8 Audi R8がポールポジションを獲得。2番手が#1 ポルシェ919。#7 Audi R8は3番手、セカンドロウを手に入れている。


決勝は、序盤、Audiの2台がレースをリードし、これをポルシェが追う展開に。途中、#8が他のマシーンとの接触を避けるためにコースアウトし順位を落としたものの、再び首位を奪うなど、ポルシェとのトップ争いが続いた。


ところが、レース中盤、#8にマシーントラブルが発生。左前のホイールベアリングが突然破損し、コーナリング中だったマシーンはコースを飛び出し、タイヤバリアへ。これにより首位争いから脱落する結果となった。


一方、5番手まで順位を落としていた#7だが、雨を予想しインターミディエイトタイヤに交換したのが功を奏して、トップ争いに加わることに。しかし終盤、ピットストップの際にピットレーン上で燃料切れに見舞われたり、ブレーキトラブルが発生するなど不運が続いたことからトップを奪うにはいたらず、2位でゴール。#8は27位で完走している。


レース後、アウディモータースポーツ代表のDr. ウォルフガング・ウルリッヒは「今回の素晴らしい復活劇は、アンドレ、マルセル、そしてチームクルー全員によるパフォーマンスの賜物です。レース終了1時間前を過ぎてトップ争いを繰り広げていたことは、メキシコでのわれわれのパフォーマンスが素晴らしいものであったことを表していますが、技術的問題で優勝を逃してしまったことは、痛恨の極みです」と述べた。

次戦は9月17日、アメリカのテキサス州オースティンで行われる「6 Hours of Circuit of the Americas」。

(Text by Satoshi Ubukata)