2015年11月21日、2015年WEC第8戦バーレーンの決勝レースが行われ、7号車のAudi R18 e-tron quattroが2位でゴールした。 ドライバーズタイトル争いが最終戦にもつれこんだた今年のWEC。ランキング2位のマルセル・ファスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエ(#7 Audi R18 e-tron quattro)としてはここバーレーンで勝利を収め、逆転を図りたいところだ。

しかし、決勝前日の20日に行われた予選では、 #17 ポルシェ919ハイブリッド(ティモ・ベルンハルト/マーク・ウェーバー/ブレンダン・ハートレー)がポールポジション、#18 ポルシェ(ロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブ)が2番手。一方のAudi勢は#7のファスラー/ロッテラー/トレルイエが3番手、#8のルーカス・ディ・グラッシ/ロイック・デュバル/オリバー・ジャービスが4位で、ポルシェにフロントロウを明け渡すことになった。


21日の決勝では、ポールポジションからスタートした#17のポルシェが序盤にトラブルでピット作業を余儀なくされトップ争いから脱落。その後、Audiの#8と#7が1-2体制を築く。さらに#7が#8をパスし、優勝に向けて周回を重ねていった。一方の#8はブレーキディスクにトラブルが発生し、その修理のために8周遅れ、優勝争いは#7と#18に絞られるのだった。

そして中盤、#18のポルシェが#7をパスすると徐々にAudiとの差を広げる一方、#17はトラブルを抱えながらも5位をキープ。結局#18が逃げ切り、#7は2位でゴール。#17は9周遅れとなりながら5位完走を果たしたことにより、ドライバータイトルはベルンハルト/ウェーバー/ハートレーが獲得することになった。なお、#8は11周遅れの6位でレースを終えた。


レース後、アウディモータースポーツ副代表のディエター・ガス氏は、「ポルシェチームの今大会の優勝と、年間ドライバーズタイトル獲得を心から祝福します。Audi Sportが第5戦まで大会をリードし、その後最終戦の最終ラップまで白熱のタイトル争いを繰り広げたことで、耐久レースを愛する方々に、スリリングなシーズンを見ていただけたと思っています。今シーズン、わがチームのパフォーマンスは非常に優れたものでしたが、残念なことに年間タイトル奪取にはわずかに及びませんでした」と述べた。

ドライバーズタイトル、マニュファクチュアラーズタイトルともに獲得できなかった2015年のAudi。果たして来シーズンはどんな戦略でチャンピオン争いに臨むのか? Audi Sportの動きに注目だ。


(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Audi, Porsche)