2016年5月4日、静岡県の富士スピードウェイにおいて2016 SUPER GT第2戦「FUJI GT500km RACE」の決勝が行われ、Audi Team Hitotsuyamaは2戦連続で7位入賞を果たした。 これまでAudi R8 LMSが苦手としてきた富士スピードウェイ。新型Audi R8 LMSが果たしてどこまで食い下がるのか? 今後の活躍を占う意味でも注目のレースとなった。


第2戦富士にはAudi Team Hitotsuyamaに加えて、TEAM TAISAN SARDが新型Audi R8 LMSを持ち込んだ。一方、Audi Team Brailleは岡山に続きこの富士も欠場、今後の参加も危ぶまれている。
決勝前日の3日午後にはノックアウト方式による予選が行われた。Audi Team HitotsuyamaはQ1を藤井誠暢選手が担当し、セッション終了ギリギリまでタイムアタックを遅らせ、はらはらさせたが、1分36秒965の9番手タイムでQ1を突破。一方、TEAM TAISAN SARDも元嶋佑弥選手が11番手タイムをマークしてQ2進出を果たした。

Q2は、Audi Team Hitotsuyamaのリチャード・ライアン選手がさらにタイムを縮め、1分36秒264のベストタイムで6位にポジションアップ。富士としてはこれまで最上位からのスタートとなった。TEAM TAISAN SARDの密山祥吾選手は13番グリッドからのスタートとなった。ポールポジションはARTA BMW M6 GT3が獲得している。


4日午後には500kmに及ぶ決勝レースがスタート。Audi Team Hitotsuyamaはライアン選手がスタートドライバーを担当したが、前日の予選で酷使した柔らかめのタイヤが高い路面温度によって思いのほか摩耗が進んだため、22周を終えたところで早々にピットストップ。硬めのタイヤに交換し、藤井選手が第2スティントに臨む。


その後、藤井選手が安定したペースで周回を重ね、40周を走行したところでライアン選手に交替。最終スティントを任されたライアン選手も速いペースをキープして7位までポジションを上げる。終盤には先行する51号車のフェラーリとのタイムを縮めたものの、そのままの順位でフィニッシュし、2戦連続の入賞を果たした。Audi Team Hitotsuyamaが富士のSUPER GTで入賞するのはこれが初めて。

TEAM TAISAN SARDは2LAP遅れで15位完走に終わった。GT300クラスの優勝は3号車のB-MAX NDDP GT-R、2位は55号車のARTA BMW M6 GT3。


レース後、Audi Team Hitotsuyama代表の一ツ山亮次氏は、「富士ではここ数年、Q1が突破できるかどうかという状況が続いていましたが、新型Audi R8 LMSとダンロップタイヤの組み合わせになり、今回は安心してQ1に臨むことができました。決勝はもう少し順位を上げたかったのですが、最も苦手とする富士を7位で終えられたのは、他のサーキットならさらに上位を狙っていけるということですから、チームは次のレースに向けてすでに気持ちを切り替えています。次の菅生はブレーキングとコーナリングに優れるAudi R8 LMSにとって充分チャンスのあるコースなので、表彰台を狙っていきます」と述べている。


5月21日、22日に予定されていた第3戦オートポリスが中止になったため、次戦は7月23日、24日の菅生。ライアン/藤井選手の表彰台が期待されるだけに、Audiファンにとっては目が離せないレースになりそうだ。

(Text by Satoshi Ubukata / Photos by 1to8.net, GTA)