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WEC第6戦の「6 Hours of Fuji 」が、日本のモータースポーツの聖地である富士スピードウェイで開催された。2012年にWECがスタートして以来、Audiはここ富士で勝利がないだけに、ライバルのPorscheを抑えて表彰台の頂点を獲得したいところである。LMP1 ハイブリッドには、Audi R18 e-tron quattroに加えて、Porsche 919 Hybrid、Toyota TS040 HYBRIDが2台ずつエントリー。5戦終了時点で、ドライバーズタイトル争いはAudiのアンドレ・ロッテラー/マルセル・ファスラー/ブノワ・トレルイエ組が、また、マニュファクチュアラータイトル争いではPorscheがそれぞれリードしている。
決勝前日の10日には予選が行われ、ベルンハルト/ハートレー/ウェバー組の#17 Porsche 919 Hybridが1分22秒763のタイムでポールポジションを獲得。2位は最終ラップでニュータイヤを投入したデュマ/ジャニ/リーブ組の#18 Porsche 919 Hybrid。そして、ロッテラー/ファスラー/トレルイエ組の#7 Audi R18 e-tron quattroが1分23秒082でこれに続く。#8 Audi R18 e-tron quattroを駆るルーカス・ディ・グラッシ/ロイック・デュバル/オリバー・ジャービスは4番手からのスタートとなった。
17周のセーフティカーランのあと、グリーンシグナルが点灯し、レースが本格的にスタート。そのラップで、フロントロウのPorscheがそれぞれ5位、6位にポジションを落とす波乱があり、序盤はAudiの#7と#8がレースをリードする展開となった。
もちろん、Porsche勢がそのポジションに甘んずるはずはなく、まずはPorscheの#18がToyotaの2台をかわし、その後、Audiの#8、さらに、#7をパスして首位に躍り出た。また、Porscheの#17も#7と2位争いを繰り広げることになる。
中盤、コースアウトした車両を回収するために、"フルコースイエロー"の措置がとられ、運良くそのタイミングでピットストップを行ったPorscheの#18が2位争いの#17 Porscheと#7 Audiに1分近い差をつけ、その後のレースを有利に進めることになった。
一方、その後も#7と#17の2位争いは続いたが、まだ路面が完全に乾かない状態でスリックタイヤで勝負に出たAudiの#7はペースが上がらず、さらにタイヤを元に戻すために余分なピットストップを余儀なくされたことから#17に2位を譲るばかりか、#8に3位を明け渡すことになる。
終盤もPorscheの#18リードを続け、これにPorscheの#17、Audiの#8、#7が続く展開となったが、レース終了間際に、#18がドライブスルーペナルティを科され、その後ペースダウンして首位を#17に譲る。一方、Audiも#8が給油のためにピットストップを行い、この間に#7が3位に浮上。結局、Porscheの#17が今季3勝目を挙げ、#18が2位、#7が3位という結果となった。
これにより、ドライバーズポイントは、Porscheのベルンハルト/ハートレー/ウェバーが1点差で首位に立ち、また、マニュファクチャラーズポイントもPorscheがリードを53ポイントに広げる結果になった。
次戦は11月1日の上海。果たしてドライバーズポイント争いでロッテラー/ファスラー/トレルイエ組が巻き返しを図ることができるのか? 3名の踏ん張りに期待しよう。
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Satosh Ubukata, Audi, Porsche)