2014年9月20日、2014年WEC第4戦決勝がアメリカのオースティンで行われ、Audi R18 e-tron quattroが1-2フィニッシュ、今季2勝目を挙げた。 決勝前日に行われた予選では、#8 トヨタTS040ハイブリッド(アンソニー・デビッドソン/ニコラス・ラピエール/セバスチャン・ブエミ)が1分48秒993のアベレージタイムでポールポジションを獲得。2番手、3番手は#14と#20のポルシェ919ハイブリッドが手に入れる。

Audi勢は#2 Audi R18 e-tron quattroマルセル・ファスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエが4番手、#1 Audi R18 e-tron quattro(ロイック・デュヴァル/トム・クリステンセン/ルーカス・ディ・グラッシ)は6番手と出遅れる結果であった。


20日17時にスタートした6時間レースは、序盤からトヨタがその速さを見せつけ、#8 トヨタTS040ハイブリッドが首位を維持するとともに、4位スタートの#7 トヨタTS040ハイブリッド(アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ)が2位にポジションアップすることで1-2体制を築く。


ところが、レース開始から1時間半が経過した頃から雨が降り出し、その後、土砂降りに。これにより、トップを走っていたトヨタ勢が順位を落とす一方、Audi勢は巧みなタイヤ交換作戦が功を奏して#2がトップ、#1が3位にポジションアップする。

コンディションはさらに悪化し#8のトヨタなどがコースアウトする状況となったため、ついにレースは赤旗中断。約50分間、天候の回復を待つことになった。


レース再開後、#2のAudiはタイヤをインターミディエイトに交換する一方、#1はピットストップの回数を減らすべくレインのまま走行するという異なる戦略を採用。しかし、#1はスリックタイヤに交換する前にインターミディエイトに交換することになり、ピットストップの回数を減らすことができなかった。


その結果、#2は首位を守りきり、今季2勝目を獲得。#1も2位に浮上し、Audiは1-2フィニッシュに終わった。


レース後、Audi SportのDr. ウォルフガング・ウルリッヒ代表は、「非常に困難なレースだった。土砂降りによりコースアウトを余儀なくされるライバルが多いなか、われわれは適切なタイミングでレインタイヤへの変更を終えたことで、良いペースでの走行を続けられ、最終的に1-2フィニッシュを獲得することができました。すべてが上手くいきました。マシンの状態は良く、ドライバーの走りは完璧で、どのピット作業も素早く行われました。今回の成功をとても嬉しく思っています。ルマン後も、凄く良い状態が継続されていることが、素晴らしいことだと感じています」と語っている。

次回、第5戦はいよいよ富士。好調なAudiの勇姿を目の前で見るチャンスだ。10月12日は皆さんも、ぜひ富士へ!

(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Audi, Porsche, Toyota)