2014年11月15日、2014年WEC第7戦バーレーンの決勝が行われ、トヨタの7号車が優勝、Audi R18 e-tron quattroは4位、5位でレースを終えた。 バーレーンでは不運なトラブルがAudiを襲う。現地に到着したマシーン2台のモノコックにダメージが見つかり、マシーンを一から組み上げることになったのだ。

13日(木)の公式練習FP1にはなんとか間にあったものの、FP1、FP2ともに#1が4位、#2が5位という結果に。

その後、#1のモノコックに再びダメージが見つかったため、#1は再度マシーンを組み上げる羽目になり、翌日のFP3と公式予選は不参加となった。

一方、公式予選に参加した#2は、トップの#14 ポルシェから2秒454遅れの5番手。#1は6番手からのスタートとなった。


決勝は序盤にトヨタが1-2位を獲得するが、首位を走る#8 トヨタがマシーントラブルに見舞われ大きく順位を落としてしまう。その後は#7 トヨタを#14 ポルシェが追う展開となるが、そのまま#7 トヨタが逃げ切り、ブルツ/サラザン/コンウェイ組みが今季初勝利となった。

一方、Audiは#2のファスラー/ロッテラー/トレルイエが4位、#1のディグラッシ/デュバル/クリステンセンが5位で完走。これにより、#8 トヨタのブエミ/デヴィッドソンは最終戦を待たずにドライバーズタイトルを獲得した。


レース後のコメントは次のとおり。

アウディモータースポーツ代表 Dr. ウォルフガング・ウルリッヒ氏

最終戦を待たずにドライバーズタイトルを獲得したセバスチャン・ブエミとアンソニー・デビッドソンに対し、心からの賛辞を送ります。その一方、今回のレースでわがチームのメンバーは賞賛に値するだけの激務をこなしました。レースカーは2台とも、素晴らしい走りを見せてくれました。このことに私から大きな感謝を捧げたいと思っています。残念ながら、今回は表彰台を獲得することは叶いませんでした。ドライバー達は素晴らしい走りをしてくれましたが、ディーゼルエンジンの燃料タンクを小さくするレギュレーションにより、随所で燃料消費を抑える走りを強いられ、さらにはレース終了5周前には追加のピットストップを余儀なくされたため、優勝することができませんでした。

LMPプロジェクトリーダー クリス・レインケ氏

ドライバーズタイトルを獲得したライバルに対してはもちろん、3度もマシーンを組み上げ直すという激務をやり切ったわがチームのメンバーに対しても、賞賛を捧げたいと思います。急ピッチで組み上げられたにもかかわらず、マシーンはトラブルフリーで走りきりました。これは、今週末でもっとも誇れる偉業だと思います。さらに、マニュファクチャラーズ タイトル決定を次のサンパウロ大会まで持ち越すという目的も達成できました。形勢を一変させることは難しいかもしれませんが、われわれは決してあきらめません。

最終戦のサンパウロは2週間後。果たしてAudiがマニュファクチャラーズ タイトルを獲得することはできるのか?

(Text by Satoshi Ubukata)