ルマン24時間レースで最多の9勝を挙げたトム・クリステンセン選手が、2014年11月30日に行われるWEC最終戦で現役を引退する。 トム・クリステンセン選手は、デンマーク生まれの47歳。1980年代前半にデンマークのカート選手権で優勝したクリステンセン選手は、1991年にはドイツF3でチャンピオンとなり、その後、日本のF3やF3000、JTC、JTCCなどで活躍した。

1997年にはチーム・ヨーストが走らせるポルシェWSC95でルマン24時間初優勝を飾る。1999年からはAudiのドライバーとしてルマンに参戦し、2000〜2002はアウディスポーツ・チームヨースト、2004年はアウディスポーツジャパン・チーム郷、2005年はADTチャンピオンレーシングでAudi R8を駆り、勝利を手に入れている。また、2003年には、Audiのグループ会社であるベントレーにルマン優勝をもたらした。

さらに、2008年はAudi R10 TDIで、2013年はAudi R18 e-tron quattroで優勝。ジャッキー・イクスが持つ6度のルマン優勝記録を塗り替えたクリステンセン選手はルマンのレジェンドとなった。


WEC最終戦終了後は、Audi Sportのパートナーとして、引き続き活動を続けるクリステンセン選手。サンパウロ戦が現役レーシングドライバーとして最後のレースになるだけに、#1 Audi R18 e-tron quattroの走りを見守りたい。


(Text by Satoshi Ubukata)