2014年11月30日、2014年WEC第8戦サンパウロの決勝が行われ、トム・クリステン選手らがドライブする#1 Audi R18 e-tron quattroが3位でゴールした。 このレースで現役レーシングドライバーを引退するトム・クリステンセン選手が、有終の美を飾った。

予選は6番手に終わったディグラッシ/デュバル/クリステンセン組の#1 Audi R18 e-tron quattroだったが、決勝では、レース後半に#7 トヨタと3位争いを演じ、見事3位でゴール、表彰台を獲得した。


一方、4番手スタートのファスラー/ロッテラー/トレルイエ組の#2 Audi R18 e-tron quattroは、マシーントラブルのため30分をロスし、6位まで後退。その後、5位まで順位を回復した。


優勝は、2番手からスタートしたデュマ/ジャニ/リーブ#14組のポルシェ919ハイブリッド。ポルシェ919ハイブリッドによる優勝はこれが初めて。


レース後、クリステンセン選手は「みんなには、本当に感謝をしています。私は、Audiドライバーとして初めて参加した2000年のセブリングのレースで表彰台を獲得しましたが、最後のレースも、厳しい局面を乗り越え、表彰台獲得で締めくくることができました。ピットストップの回数を減らすため、最後は燃料消費を極力抑えて走ることになっていましたが、それは私が担当するスティントでした。セーフティカーが入るまで、その状況はとても厳しいものでした。初優勝を遂げたポルシェ、そしてタイトルを獲得したトヨタに、おめでとうと申し上げます。Audiというベストなチームとともにキャリアを過ごすことができた私は幸せでした。今週末は、私のキャリアの中で最高のものでした」とコメントした。


Audi Sport代表のDr. ウォルフガング・ウルリッヒ氏は「とても感動的な週末でした。特に、表彰台を奪取した、トム・クリステンセンの最終スティントの走りは見事でした。このブラジルの地で、われわれはWECシーズン最後の最後まで充実した結果を残せるよう努力を惜しみませんでした。もちろん、優勝を目指していましたが、それでも表彰台を獲得した今回の結果を得られたことは、素晴らしいことだと考えています」と述べた。

(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Audi,Porsche)