2014年4月20日、2014年WEC第1戦がイギリスのシルバーストーンで行われ、2台のAudi R18 e-tron quattroはクラッシュにより残念ながらともにリタイヤとなった。 WECのトップカテゴリーであるLMP1クラスには、Audi、トヨタ、そして、今年から参戦するポルシェがハイブリッドマシーンを投入。

予選では、#7 Toyota TS040 Hybridが1分42秒774でポールポジションを獲得。#1 Audi R18 e-tron quattro(ロイック・デュヴァル/トム・クリステンセン/ルーカス・ディ・グラッシ)が僅差の1分42秒779でこれに続いた。3番手は#14 Porsche 919 Hybridで1分43秒087。#2のAudi R18 e-tron quattro(マルセル・ファスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエ)は4番手のタイムをマークしている。


決勝は、コース上にウェットの部分が残る状態で12時にスタート。Audi勢はファステストラップを更新し続け、13周終了時点で#2のロッテラーがトップに躍り出た。また、17周目には1分44秒217の最速タイムをマークしている。

ところがスタートから37分後に雨が降り出すと#1のディ・グラッシがコースアウトし、ガードレールに衝突。ダメージはモノコックにまで及び早々にレースを終えた。


一方、#2のロッテラーも滑りやすい路面に徐々に順位を下げ、34周目にはコースアウトを喫し、4周遅れの4番手に。その後、ブノワに交替するが、雨が強まっていた15時過ぎにコーナーでコントロールを失いクラッシュ、#2もここでレースを終えた。


6時間のレースは、17時34分に激しい雨のために赤旗終了。優勝はデイヴィッドソン/ラピエール/ブエミ組の#8 Toyota TS040 Hybrid、2位がヴルツ/サラザン/中嶋組の#7 Toyota TS040 Hybrid、3位がベルンハルト/ウェーバー/ハートレー組の#20 Porsche 919 Hybridという結果となった。


今回のクラッシュによりマシーンの修復が必要となったAudi Sport。次戦のスパ6時間(5月3日決勝)は、この2台に加えて3号車が投入されるが、雪辱を果たすことはできるだろうか?

(Text by Satoshi Ubukata)