2013年5月4日、2013年WEC第2戦がベルギーのスパ-フランコルシャンで行われ、アウディR18 e-tron クワトロが1-2-3フィニッシュを決め、表彰台を独占した。 ルマン24時間レースの前哨戦ともいえるスパ6時間に、アウディは3台のR18 e-tron クワトロを投入した。

カーナンバー1(以下#1)は、マルセル・ファスラー、アンドレ・ロッテラー、ブノワ・トレルイエの2012年優勝コンビ。開幕戦では#2に優勝を奪われたが、このスパではポールポジションを獲得し、今期初優勝を目指す。
一方、#2はトム・クリステンセン、アラン・マクニッシュのベテランコンビと、日本でもおなじみのロイック・デュバルが搭乗。予選は3番手のタイム。
#3は、#1と#2と異なるロングテール仕様。ルマンを睨んでの投入となる。ドライバーは、ルーカス・ディグラッシ、マルク・ジェネ、オリバー・ジャービスで、予選2番手タイムでフロントローからのスタートとなる。
レースは、現地時間の5月4日、14時30分にスタート。オープニングラップの1コーナーで、ポールポジションの#1がコースアウト。ここで#2がトップに立つが、一方、4番手の#7のトヨタTS030ハイブリッド(2013年モデル)に2位、同じく5番手の#8のTS030ハイブリッド(2012年モデル)に4位を明け渡すことになった。


その後、#1がトップを奪い返すが、ピットストップのタイミングなどの違いから、#1、#2、#7が激しい首位争いを繰り返す。トヨタに比べてピットストップのインターバルが短いアウディは、当然ピットストップ回数が多くなることから、トヨタの差を広げておきたいところ。しかし、燃費、スピードとともに申し分ない2013年モデルのトヨタを引き離すのは難しい状況だ。


最後まで優勝争いがもつれるかと思われたが、スタートから4時間を目前にして、#7が緊急ピットイン。ハイブリッドの回生システムにトラブルが発生したというのだ。コースに復帰するも、ふたたびピットインした#7はまさかのリタイヤとなった。
  

その後は#1と#2がトップ争いを繰り広げるが、アンドレ・ロッテラーの気合いの走りで#1がトップでフィニッシュ。#2は1分5秒815遅れの2位となった。

#3と#8の3位争いは#3に軍配が上がり、アウディは1-2-3フィニッシュ、表彰台を独占する結果となった。


これにより、アウディR18 e-tron クワトロは2013年WECで2連勝。セブリング12時間を加えると、今年3度目の勝利となった。この勢いのまま、ルマン24時間の勝利を手中に収めることができるだろうか?

注目のルマン24時間は6月22日のスタートだ。

(Text by Satoshi Ubukata)