ちなみに、ルマンでライバルとなるはずのトヨタがこのスパ6時間の参戦をキャンセルしたため、両者の実力比較はルマン本戦までお預けとなった。
5月4日の予選では、#2 アウディR18 e-tron quattro(カペロ/クリステンセン/マクニッシュ)がポールポジションを獲得。2位が#4 アウディR18 ultra(ボナノーミ/ハビス)、3位が#1 アウディR18 e-tron quattro(ロッテラー/トレルイエ/フェスラー)、4位がアウディR18 ultra(ジュネ/デュマス/デュバル)と上位を独占した。
ウェットコンディションで迎えた決勝では、スタートから数ラップで#1 R18 e-tron quattroを駆るロッテラーが、#2のクリステンセンをパスしてトップに。スタート1時間後には#3のジュネに1分もの差をつけた。
ここで賭けに出たのが#3のジュネで、最初のピットストップでアウディ勢としてはただ1台だけスリックタイヤに交換。
この作戦が見事的中し、1周7.004kmの周回で2秒も速いタイムを叩きだしたのだ。そして、デュバルがステアリングを握る63周目にトップに躍り出た。
そんななか、順調に周回を重ねた#3のR18 ultra(ジュネ/デュマス/デュバル)がトップを守り、デビュー戦を勝利で飾った。2位は#1 R18 e-tron quattro(ロッテラー/トレルイエ/フェスラー)、3位が#4 R18 ultra(ボナノーミ/ハビス)、4位が#2 R18 e-tron quattro(カペロ/クリステンセン/マクニッシュ)。今回の勝利が大きな自信につながるのは確実で、あと1カ月半後のルマンに向けて、幸先の良いスタートをきることができた。
(Text by Satoshi Ubukata)