高速道路を走行中、先行車との間隔が詰まったときによくやるのが、パドルシフトを使ってシフトダウンしエンジンブレーキを効かせるというテクニック(!?) プラグインハイブリッドのAudi A3 Sportback e-tronでは、エンジンブレーキの代わりに回生ブレーキが使えます。 フットブレーキを使うほどではないけれど、少し減速したいときに便利な回生ブレーキ。モーターを発電機として利用することで減速すると同時に、発電した電力はバッテリーに貯めて再利用できるというハイブリッド車やEVではおなじみのシステムです。

Audi A3 Sportback e-tronでもこの回生ブレーキが使えます。ブレーキペダルを踏めば、機械式ブレーキとともに回生ブレーキが効きますし、また、条件が揃えば、アクセルペダルを緩めるだけで効かせることが可能です。

Dレンジで走行中にアクセルペダルを緩めると、エンジンとSトロニックをつなぐクラッチを開放してエンジンを停止するとともに、惰力走行を行うので回生ブレーキはほとんど効きません。一方、Sレンジかマニュアルモードに切り替えれば、しっかりと回生ブレーキが効くようになります。

さて、高速道路を走行中、先行車との間隔が詰まったときに回生ブレーキを使うにはどうすればいいか? 簡単なのは、ガソリン車同様、パドルを操作することです。ただ、ガソリン車のように「−」を操作してシフトダウンする必要はありません。「+」を操作すると現在のギヤを選択したままマニュアルモードに切り替わりますので、これでアクセルペダルを緩めてやると適度に回生ブレーキが効きます。シフトダウンしないので、当然シフトショックがないのもうれしいところです。

その後、普通に運転していれは自動的に元のDレンジに戻りますし、「+」を長引きすれば強制的にDレンジに戻すことも可能です。


一方、セレクターレバーでSレンジに切り替えるとさらに強力に回生ブレーキが効きますし、勝手にDレンジに戻ることもありません。こちらは山道の下りなどで使うのがオススメです。軽い減速ならブレーキペダルを踏む必要がなく、アクセルペダルのコントロールだけで済むので慣れるととても便利ですよ。また、山道の上りなら、モーターが積極的にエンジンをアシストしますので、素早い加速が可能です。

ワインディングロードが楽しくなるSモード......阿蘇で堪能しちゃいました!


(Text by Satoshi Ubukata)