2026年8月21日、Audi環境財団が開発を支援する道路排水用フィルター「URBANFILTER」が、F1オランダGPの舞台となるザントフォールト・サーキットに導入されることが明らかになった。FIA(国際自動車連盟)がURBANFILTERをサーキットで使用するのは今回が初めてで、タイヤ摩耗粉やマイクロプラスチックなどが水環境へ流出するのを防ぐ効果を検証する。

タイヤ摩耗粉などを排水口でキャッチ

Audi環境財団は2020年9月から、ベルリン工科大学の研究者やパートナー企業とともに、道路排水用のスマートフィルター「URBANFILTER」の開発を支援している。

道路にはタイヤの摩耗粉やブレーキダスト、マイクロプラスチックなど、さまざまな微粒子が蓄積する。こうした粒子は雨によって道路脇の排水口へ流れ込み、そのまま水循環へ入り込む可能性がある。

URBANFILTERは、道路の排水路に専用フィルターを設置し、こうした粒子をできるだけ環境へ流出させる前に回収する仕組みだ。

このコンセプトは、フィルター技術を手がけるGKDや雨水管理を専門とするARISの協力を得て開発され、これまでベルリンやコペンハーゲンなどの都市に加え、ADACのウェットハンドリングコースや一般道などで、実験室および実環境でのテストが行われてきた。

さらにザントフォールト・サーキットで行われた最近のテストでは、降雨量や粒子の特性によって異なるものの、最大99%の捕捉率を記録したという。

F1の舞台で実証へ

そして今回、FIAがF1オランダGPでURBANFILTERを導入する。FIAがこのスマートフィルターをサーキットで使用するのは初めてであり、F1というトップカテゴリーの厳しい環境が新たな実証の場となる。

Audi環境財団のマネージングディレクターを務めるスヴェン・ファイトは、「FIAがF1への導入を通じ、この重要なテーマに世界的な舞台と、厳しい条件下でのテスト環境を提供してくれることを誇りに思う。モータースポーツが技術面でのロールモデルになり得ることを、あらためて示している」とコメントしている。

もともと都市環境を想定して開発されたURBANFILTERをF1サーキットへ導入することで、その技術を異なる環境へ展開できる可能性を探ることになる。

Audi環境財団は2009年、AUDI AGの100%子会社となる非営利財団として設立された。革新的な技術によって天然資源の持続可能な利用に貢献する「Greenovation」プロジェクトなどを支援している。

Audi F1の拠点もFIA最高レベルの環境認証を取得

Audiは2026年シーズンから、ファクトリーチームとしてF1への参戦を開始した。参戦を決めるうえでは、2026年からのF1で持続可能な燃料が導入されることや、ハイブリッドパワーユニットに占める電気エネルギーの割合が大幅に高められることも重要な要素となった。

また、AudiがF1用パワーユニットの開発を行うドイツ・ノイブルクの拠点は、数カ月前に実施された監査を経て、FIAから「3つ星環境認証」を取得している。これはFIAのガイドラインにおける最高レベルの認証だ。

同拠点はすでにISO 14001およびISO 50001の認証を取得しており、電力や熱源への再生可能エネルギーの利用をはじめとする環境対策を進めている。

F1のサーキットを、都市環境のために生まれた技術の実証フィールドとして活用する今回の取り組み。Audi環境財団が支援してきたURBANFILTERが、モータースポーツの舞台からマイクロプラスチックなどの環境負荷低減につながる技術として、その可能性を探ることになる。

(Text by 8speed.net Editorial Team / Photos by AUDI AG)※本記事はプレスリリースをもとに、一部AIツールを活用して作成。編集部が専門知識をもとに加筆・修正を行い、最終的に内容を確認したうえで掲載しています。