2024年4月12日(金)~14日(日)の3日間、千葉県・幕張メッセで開催された「AUTOMOBILE COUNCIL 2024(オートモビルカウンシル 2024)」。

私は初日の12日に行ってきました。

朝から会場に行き、途中、元MBJ社の広報だったK氏らとランチした以外はほぼ会場で過ごし、気がつけば閉場時間。たっぷり8時間、会場にいました。それだけ見どころがいっぱい!

まずは何と言っても、今年3月13日にお亡くなりになった世界的なカーデザイナー、マルチェッロ・ガンディーニ氏の特別追悼展。当初は別企画の予定だったそうですが、急遽変更。確かに、今年2月に送られてきたメールを確認してみると、主催テーマ展示の1番は「アイルトン・セナ没後30周年 特別企画 駆け抜けた天才の記憶」と「Designed by ピニンファリーナ」でしたが、これが3月25日に送られてきた主催者からのメールでは「故マルチェッロ・ガンディーニ追悼展「In Memory of Marcello Gandini」に変更されており、1970年式「ランボルギーニ・エスパーダ・シリーズ2」の車名も。

が、会場に行ってみると、入ってすぐの一等地にランボルギーニ・エスパーダ、ランボルギーニ・ミウラ、ランボルギーニ・カウンタックLP400、ランチア・ストラトス、フェラーリ・ディーノ。まさにスーパーカーブーム世代やスーパーカー愛好家の方々のキラーコンテンツが勢ぞろい。

私は今回も会場で動画のライブ配信を行いましたが、エスカレーター上の踊り場からスタート。そして、エスカレーターを降り、手前の「ボッシュ」を軽くご紹介し、ガンディーニ追悼展示車両前に来たところで元日産のチーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)の中村史郎氏に遭遇! そのままガンディーニさんのデザインの話を語っていただくという超貴重な映像となりました!

まずは1970年の「ランボルギーニ・エスパーダ」。ユニークなデザインで背が低い……というかぺったんこ。これで4シーターなので、さすがはランボ!

次に「ランボルギーニ・ミウラ」。これは間違いなく「歴史に残る名車」ですが、史郎さん的には「特別好きではない」とのこと。ただ、この時代に、ほかではまだないミドシップのスポーツカーは先進的。そして、ランボルギーニさんは先進感の追求するタイプで、ガンディーニさんは自身のデザインの特徴でもあるディテールに先進感を盛り込み、まさにデザインの融合です。

そして「ランボルギーニ・カウンタック」。みんなが大好きなカウンタックですが、展示車両はLP400。この後にLP500やアニバーサリーなどが登場しましたが、LP400が一番オリジナルのデザインでデザインの狙いがわかり、そしてアグレッシブで魅力的。

そして史郎さん曰く「ランボルギーニ、ガンディーニ、ベルトーネのケミストリーがいい。歴史に残るクルマは、デザイン、ビジネスオーナー、エンジニア、これがいい組み合わせにならないと生まれない」と。史郎さん自身が日産時代に携わった「GT-R」(R35)についても「ゴーンさん、水野さん、自分、みんなの気持ちがまとまって生まれた。そういうときに、いいクルマ、歴史に残るクルマがポンと出てくる」とのこと。史郎さんの言葉には重みがあります。

確かに“いいクルマ”は出てきても、“歴史に残るクルマ”は早々に出てくるものではありません。史郎さんは今年でデザイナー生活50年。クルマを見るだけでストーリーを想像できるモデルが好きだそうです。また、ストーリーを感じながらクルマを見ると楽しいとおっしゃっていました。

ランチアそして展示されたクルマの中で一番刺激を受けたのは「ランチア・ストラトス」だそう。ストラトスは ラリーカーとしてデザインされているのでとてもユニークな形。

史郎さんはランチア・ストラトスやガンディーニさんの影響を受けているかを尋ねると「影響、受けています。このクルマを作ったときにどういう狙いで作ったかは気になりますし、ほかには比類のないユニークなものですから。GT-Rを作ったとき、実は頭にあったのはストラトスです。デザインというよりストーリーとして、どこにも属さないユニークな形、パフォーマンスを感じるものとして。ユニークな形でもラリー車なのでプロポーションは違いますが。そしてこの中で一番好きなのもストラトス。フロントのラウンドしたガラス、ボリュームのあるサイドドア、ドアトリムの中にヘルメットが入るので、ドライバー席は真ん中に寄っていて独特なドラポジ。そして物凄く狭い(笑) だけど乗った時の視界は全然いいんです。パッケージの縦横比も個性的で、ホイールベースが短いので回頭性がいい。そしてミドシップ。エンジンはディーノと同じものを搭載していて……e.t.c 」と、話は尽きません。

「何かの本で読みましたが、ミウラはガンディーニが100%自分がやりたいクルマではなかったけれど、カウンタックやランチア ストラトスなどはまったくのオリジナリティがものすごい。こういうデザインを思いつくガンディーニはまさに天才・奇才。圧倒的にユニークで圧倒される」とおっしゃっていました。

そして最後に私から中村史郎さんにお願い。史郎さんがデザインを手がけた「いすゞ ビークロス」。これがなかなかオートモビルカウンシルもそうですが、ほかのクラシックカーのイベントでも見ません。特にコンセプトカーはかなりブッ飛んでいたようですが、それはもうどこにも残っていないのだとか。「ぜひ再現して展示してください!」とお願いしました!

さて、実現する日は!?

中村史郎さん、貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

この模様は、私のyoutubeでご覧いただけます。ぜひ観てね!

【神回!】【オートモビルカウンシル2024】LIVE!ガンディーニ追悼企画を中村史郎さんが飛び入り解説!カウンタック、ミウラ、ランチア・ストラトスなど★yumi yoshida【吉田由美ちゃんねる】
https://www.youtube.com/live/rMVi_Mf-myE?si=mLP7q3G6ODnCTpt1

【オートモビルカウンシル2024】後編★幕張メッセ会場から!OKISHU、メルセデスベンツ、マツダ、三菱、ゴルフ、etc★yumi yoshida【吉田由美ちゃんねる】 がライブ配信中!
https://www.youtube.com/live/dJfy8kcRVlE?si=7vPjLNOTOq7gJ1HJ

(Text & Photo by Yumi Yoshida)