東北道を北上すると仙台付近、中心を避けるように内陸を走ります。泉インターの少し手前に、川口(埼玉県)と青森のちょうど半分!という案内の看板があり、さらに東北道を北に進むときにも、泉で降りて仙台市内や一般国道で降りてしまうときにも、大いに旅情を掻き立てられるものです。

そんなこともあり、泉仙台インター過ぎると仙台の北側、ひいてはいよいよ北東北。昔でいうところの奥の細道のいよいよ本番というイメージがあるものです。

東北道で青森を目指した際に、そんなこともあってか、泉インターの先の少し大きめなパーキング、鶴巣パーキングエリアに立ち寄りました。

晩御飯何にしよう。油淋鶏、とろろとオクラや納豆が載ったネバネバ丼なども割と好きで、気になる。直球や、圧倒的な感じではないものの、だからこそ迷わせる顔ぶれが並びます。久しぶりにちょっと立ちどまって悩んだ挙句、味噌味のホルモン焼き「鶴巣ホルモン焼き定食」をチョイスしました。

少し待っていると、ミスったか?と思いました。別の人が頼んだ油淋鶏、香りがなかなか際立つのです。出来合いの少し酢の効いたタレをかけただけ、ではないのではないか?酢の香りがしっかり立ち、何より食欲をそそります。がしかし、だとすると、ときどき見かける赤城ホルモンに留まらず、ここの名を冠したメニュー、期待できるかも。そんな気持ちもまた込み上げてきたものでした。

待つことしばし、味噌がいい香り。変な臭みは抑えられているものの、ホルモンの匂いも残しつつ。これに対峙する味噌味となると、ホルモンの場合「食欲促進」は避けられないことになる。迂闊でした。もう少し走りたいからと、ライスを普通盛りで頼んでしまいましたが、箸をつける前にその量が「ご飯二杯」を適量とする圧と、分量であることがすぐに感じ取れたのでした。

しかし飯にあう。橋が進みます。結構ホルモンリッチで食べましたが、それでも皿の上にはまだ半分の味噌焼きホルモンが残っているところで白飯は底をつくという。券売機でライスの食券を買い遅滞なくお代わり。やはりそのおかわりの飯と同時に、ようやくホルモンは綺麗に完食できたのでした。

渋滞がないのでストレスが少なく、その点案外距離走れてしまう東北道。しかし夜になれば星と月の灯りだけに導かれるような、そんな道です。ときどき抜ける街の灯りに妙に安堵する模様。

そういう、言うなれば夜の東北大陸を走るために、ここでパワーをつけねば!明日意気込んでいて自分が自分で可笑しくなってきたほどでした。意気込むのもほどほどに早く食べないと!20時が閉店時間のようで、蛍の光が流れ始めました。

とにかく旨いホルモンでパワーをつけて、先に行こう!そう思ったのでした。しかし今度寄ったら、是非あの油淋鶏も食べたいものですね。

(Text & photos by Kentaro Nakagomi)