讃岐だ福岡だ、最近では富士吉田なんかもうどんのこととなると饒舌です。米が取れなかったような地域でも、小麦で挽いて打って、白く長いうどんはこの国の縁起のいいご馳走として、全国各地に実はあったのでしょう。

それで言うと、アピールこそ控えめな感は否めませんが、埼玉もうどんが根強いた土地。ついついこの辺りを通ると食べたくなるのです。

さて、新潟から戻る途中、ちょっと抜け道で吉見町を通ったときのこと。道の駅に立ち寄りました。いちごが多いんですね。いちご推しがすごい。そこで昼ごはんにうどんの文字、ちょっと食べて行きますか。

食券の券売機を見るともりうどん、天盛り、訪れたときは夏だったので冷汁うどんなども。うどんだけでもいろいろあります。その中に「いちごカレーうどん」なるメニューを発見!気になります。しかし手持ちで大きなお札しかなくて、小銭を見たらもりうどんはいける感じ。まあ、そのキャッチーなカレーうどんは宿題、もりうどんを頼むことに。

コシが強い!そして結構ガッツリだし戻っているのか、ビターな風味のお汁が、夏にはぴったりだし、郷土料理感を盛り上げます!口に含むとぶいんぶいんと口の中で踊ります。噛むとやがて甘み。デンプン系の魅力は茹でて加熱されて旨味を増したグルテンの魅力と言って良いでしょう!4回ほど救うとペロリと完食な感じですが、ちょっと添えられたこんにゃくの煮物と合わせて、シンプルそうでありながらなかなかの満足感。カレーうどんが気になるものの、なかなかいい昼飯になりました、また今度!と言って店を出ます。

ちょっとうちに土産でもと思い売店で買い物を澄ませてクルマに戻ろうとしたとき、「待てよ、お金が崩れたと言うことは」カレーうどん行けるわけです。

先程のうどんもまあ、もう少し何か食べたい程度の量だったし。結局引き返し、「いちごカレーうどん」を食べることにしました。

食券を出すと「いちご入ります」とおばちゃん。いちご?(ほんとに?というニュアンスに聞こえた)とおじさんの確認のおうむ返し。なるほど、わたしの頼んだものは「いちご」だそうです。

なになに?いちごがゴロンと煮込まれてるのかしら?甘いの?色々と妄想が膨らみます。

でしばらく待つと出てきました!

いちごカレーうどんです!スパイシーないい香りのカレーうどんにいちごのソース?がかかっています。あと、いちごのもう絵のかまぼこが。いちごの香りもかすかに。よく混ぜて一口口に含みますと、玉ねぎもいい味を出しています!なかなか美味い!

そしていちごに関して。確かにいちごの味は感じますが、甘く酸味が見え隠れ。よくカレーライスを頼むと赤い福神漬け載ってますね。あれも役割としてはこういうことです。あれがありならこれは大いにあり!スパイシーなカレーといいコンビネーション!なかなか美味い。これは引き返してきて正解でした。

しかし、吉見町産いちご使用は伊達ではありません。後味として、カレーにも埋もれないいちごの味わい。ようこそ吉見町へと食べたものに年を推すように歓迎しているかのよう。

後ろ髪引かれて戻ってよかった。皆さんもこの辺りにお出かけの際はぜひご賞味を。しかし白シャツ、白ブラウスは厳禁で、くれぐれも(笑)。

夏の埼玉で出会ったカレーうどんでした。

(Text & photos by Kentaro Nakagomi)