ここ数年で、輸入車オーナーからの支持が高まっているRAYSブランド。宝塚の人気欧州車ショップ「BASIS」の中西亮平代表と、RAYSのプロデューサー・山口浩司氏の対談から、その理由を探る。 ----中西さんにうかがいます。「BASIS」のコンセプトは?

中西:普段づかいのできるクルマに仕上げる、というのがコンセプトでしょうか。見た目がカッコ良くて、それでいて、気を遣わずに乗れることを大切にしています。たとえば、ショーを見たあとに来店するお客さまはとてもテンションが上がっていますから、極端に車高を下げてほしいといいます。それに対して、お客さまの望みどおりにつくるというのもひとつの方法ですが、「これ以上はウチでは無理です」とアドバイスしています。それが、結果的にお客さまと長く付き合うことにつながっているのではないでしょうか?

山口:最初に会ったときから、誠実さが服を着ているような好青年だなぁと思いましたね(笑) 実際に誠実なんですよ。そんな人のところには、お客さまが集まってくるものですよ。輸入車でクルマをイジりをはじめた人は、どうしても頭でっかちになりがちです。そんなビギナーにも親身になってアドバイスしているのが中西さんのお店なんですよ。
   

----どのブランドのお客さまが多いですか?

中西:アウディ、フォルクスワーゲンが多いですね。とくにいまはアウディでしょうか。

----お客さまにとって、RAYSはどんな存在ですか?

中西:5年前くらいまでは、輸入車オーナーがRAYSを選択肢として挙げることは少なかった。ところが、ここ数年は選択肢に必ず入ってきます。たとえば、細めのスポークがいいというお客さまには「G25」がありますし、フィンタイプがいいなら「G12」。サーキットを走行するなら「TE37 SL」、軽さを追求するなら「C345」。ドレスアップから、サーキットまで、幅広い要望に応えられるのが、いまのRAYSのラインアップです。

----人気が高まったわけは?

中西:もともとRAYSのアルミホイールには、強くて、軽くて、値段が安いという特徴がありました。

山口:"安い"といっても、決して安売りしているわけではありませんし、輸入品に比べたら高いんですけどね(笑)

中西:RAYSは日本車のオーナーには強く支持されてきましたが、輸入車オーナーからは、RAYSのロゴが目立って、もう少しシンプルだったらなぁいう声が耳に入っていた。そこで、輸入車オーナーの意見をRAYSの山口さんに伝えたら、その後、発売された商品のデザインがシンプルになっていたんです。うれしかったと同時に、大メーカーなのに、動きが早いRAYSにびっくりしました。

山口:販売の現場の声や実際のユーザーの声って、重いんですよ。だから、重要と思ったことはすぐ行動に移す。そういう気持ちを常に持ち続けていたいと思いますね。

中西:RAYSは輸入車オーナーのために、デザインだけでなく、サイズやインセットもよく考えられています。だから、とても使いやすく、輸入車にぴったりマッチします。こういうところにも、輸入車オーナーの声が反映されているんでしょうね。


山口:たとえば、サーキット通いが始まると、タイヤを替えたくなる。225を245にしたいというときに、欧州メーカーはそれに最適なサイズを用意してきめ細かく対応することができない。そういう文化がヨーロッパにないから。

中西:この「TE37 SL」の別注モデルなども、RAYSの取り組みを象徴しています。これはTTでサーキットを走りたい人向けの商品で、9J×18インチ、インセット45mmというサイズを用意してもらいました。これだと、フェンダーのうしろに干渉することがないですし、タイヤが出すぎず、入りすぎずでちょうどいいんです。また、純正タイヤのままで街中で履きたいという人にも支持されていますよ。


----中西さんがRAYSを勧める理由は?

中西:やはり信頼性の高さが一番ですね。実際にレースで戦っているという実績がありますから。そして、本当に軽いし、強いし、値段もリーズナブルです。サーキット向けのホイールでも価格を抑えてくれているのがうれしい。RAYSは「競技用だから高くてもいい」ということがありません。そのあたりは、ユーザー目線で商品を開発しているからでしょう。

山口: "VOLK RACING=みんなのレーシング"ですから。


(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Hiroyuki Ohshima)