VOLK RACING G16は、スポーツカーはもとより、ユーロハイパワーやドレスアップミニバンなど、幅広いカテゴリーのクルマにマッチする機能性と美しさを誇る高性能鍛造ホイールだ。
G16は、Gシリーズの中でもとくにレースホイールに近い性能が与えられたのだという。
「レースホイールをデザインする場合、正面からの眺めをできるだけスマートにしないと軽くできません。しかし、ただ細いだけは必要とする性能を確保できない。そこで、レースホイール同様、立体的なデザインにより、高い性能を手に入れたのがこのG16です」
そう話すのはRAYSでVOLK RACINGのプロデューサーを務める山口浩司氏だ。
「鍛造でメッシュホイールをつくるわけですから、スポークを極限まで細くしたい。それでいて、ホイールを真正面の90度から50度に振って見ると、スポークの縦断面とそれにつながる面にボリュームがあってダイナミックに見えるでしょう。さらに30度まで振るとマッシブな表情になります。スマート、ダイナミック、マッシブというアプローチが、RAYSのレースホイールづくりと実は同じなんです」
それがそのまま「30°/50°/90°」という広告のコピーとなった。ところで、レースホイールというと無骨なデザインをイメージするが、RAYSのレースホイールはむしろ優美さが感じられる。
「走行時に受ける大きな応力をいかに受け止め、分散するかがレースホイールの課題です。ラインが折れていたり、曲がった面に角があると、そこにストレスが集中してしまうのです。そこで、ストレスをためないデザインとしてRAYSが考えるのが『ノンストレスライン』。フリーハンドで描いたような柔らかなラインをつなぐことで、応力が分散され、結果的にしなやかな走りが実現できるのです。しかもこの複雑な面構成をマシニングではなく金型で造形したのもG16の特徴のひとつです」
その流れがこのG16にも受け継がれている。
「G16のデザインは、エレガントさを狙ったのではなく、ノンストレスラインを心がけた結果生み出されたものなのです。広告で『性能が顔に出る』と表現したのは、そういうことです」
ところで、Gシリーズには、2×5スポークの「G25」、2×7スポークの「G27」が用意されている。新作はなぜ「G28」ではなく、「G16」を名乗るのだろうか?
「G16は2×8スポークではなく、16本のスポークがたまたま交わっているメッシュホイールです。G25やG27とは異なることからG28ではなく、G16としました」
カラーバリエーションは「ブライトニングメタルダーク」と「REFAB/サイドダークガンメタ」のふたつを設定する。なかでも注目は「REFAB」と呼ばれる新しい加工だ。
「G16では、金属の輝きを最大限に生かしたモデルをつくりたいということで、新しい仕上げを開発しました。鏡面のような下処理を行ったのちに、RAYS独自の技術で表面をダイヤモンドチップで加工し、シリンダーヘッドやピストンの輝きを目指したのです」
しかし、酸化防止のために表面にクリアを施すと、せっかくの輝きが鈍ってしまうという。そこでオリジナル溶剤クリアを採用することで、一見クリアを施していないかのような仕上がりを実現したという。
「競合他社からは『どうやってつくるの?』『クリアかかってないんでしょう?』と聞かれましたよ」
ちなみにREFABは"RAYS ENGINIEERING Forging And Brighting technology"の頭文字を取ったものだが、FABの部分には"fabulous=すばらしい、驚くべき"という意味も込められているという。REFABは「WALTZ FORGED A&N 15R/L」など、同社の他の商品でも展開される。
G16のサイズは、発売の時点では20インチのみだが、2018年夏ぐらいまでには19インチを追加する予定。そうなると、Audi A4/A5シリーズ、Audi Q5シリーズなどに加えて、Audi A3シリーズやフォルクスワーゲン ゴルフシリーズといったモデルもターゲットになってくるだろう。