情報過多のブログ時代を突き抜ける8速目のギア 「8speed.net」フォルクスワーゲンライフがもっと愉しくなるウェブマガジン

VW life 8speed.net

【試乗記】ゴルフ6試乗リポートby オグラ Part 3
090524VAS010.jpgハイラインとコンフォートラインのどちらを選ぶかーー。これはかなり悩ましい問題だ。装備的には、もちろん販売価格もそれなりのハイラインに軍配が上がる。だが、ゴルフ本来のスタンスといったものも考慮すると、コンフォートラインの方がベター。もっといえば、近い将来登場するだろうと噂される新しいトレンドラインがベストと思われるからだ。

前述のように、アクティブセーフティやパッシブセーフティに関しては、両グレードに差はない。差があるのは、主にシート/内装関連とタイヤ&ホイールだ。

090524VAS007.jpgシートはコンフォートラインが表皮をファブリックのみとした、コンフォートシートと呼ばれるもので、ハイラインが5のGT TSIとほぼ同様の形状に、アルカンタラとファブリックを表皮を組み合わせたスポーツシート。サポート性はもちろんスポーツシートのほうが優れるが、これはどちらかといえば、背もたれ部ともにサイドの張り出しが強いという形状のためではなく、身体に当たる部分の表皮がアルカンタラになっているためだ。スエード調の質感を持つアルカンタラは、滑りも防止してしてくれて、加減速の前後Gやコーナリング時の横Gに対抗して身体を支えるのがラク。長時間走行後の疲れの少なさから、そのあたりが実感できる。

090524VAS011.jpgしかし、室内の雰囲気という観点でよりゴルフらしいのは、コンフォートラインではないだろうか。ゴルフ6の室内、とりわけダッシュボード周辺にはクロームのアクセントが多用されている。そもそも、このクローム多用自体がゴルフ2や3の時代の考え方、つまりドライバーの目前に光るものを配置しないという考え方から外れてしまうが、それでも、ビジネスライクなデザインだった5に比較すれば、多少は乗用車らしく(?)なったといえて歓迎すべきことかもしれない。が、たとえば、ハイラインにはパワーウインドーのスイッチにまでクロームのアクセントが施されているのは、逆に過剰ともいえて、ゴルフらしくないのでは? そういえば、エクステリアでは、フロントのツーバーグリルの先端に細いモールが入るというのも、気になる点だ。

090524VAS002.jpgハンドリングは、鋭さという観点でいえばハイラインのほうが優れ、素直さという観点でいえばコンフォートラインのほうが優れる。ハイラインは17インチのホイールに45プロファイルのタイヤを装着、コンフォートラインは16インチのホイールに55プロファイルを装着する。45の方が入力に対する反応が速いのは当然だが、ハイラインの場合は、ツインチャージャーエンジンの重量に対応してフロントのスプリングレートがコンフォートラインより高められているのもその要因のひとつ。したがって、ワインディングではかなりスポーティな走りを楽しむことができる。160psを7速DSGのパドルシフトで存分に引き出せば、GTIも真っ青の速さをみせてくれるのだ。ただ、問題は45プロファイルタイヤの当たりの強さ。十分に許容範囲ではあるものの、タウンスピードでは突き上げ感が少なからずある。ハイラインをGT TSIの後継と考えるなら容認できなくもないが、もし、いわゆるラグジャリー仕様と考えるならちょっと容認しにくい乗り心地ということになる。タイヤ&ホイールをインチダウンすれば、様相はまた異なってくると思われるが・・・。

090524VAS001.jpg一方のコンフォートラインは、すべてが自然な感じだ。シングルチャージャーエンジンはもちろんツインチャージャーよりも軽量で、その分フロントのスプリングも柔らかい。これはまた、多少は前後重量配分が改善されていることも意味する。タイヤは55プロファイルの16インチに過ぎず、ロールも少なくないが、ノーズはステアリング操作に対して素直に向きを変え、狙ったラインを大きく外すことはない。ハイラインがタイヤのグリップに頼るような走りになってしまうのに対し、コンフォートラインは本来持つメカニカルグリップのよさを引き出すような走りとなって、むしろクルマとの一体感が強く感じられる。当然、ワインディングの上りではパワーで38psも優るハイラインに負けてしまうが、下りならば追い抜けないまでも肉薄できるというニュアンス。ハンドリングと乗り心地のバランスということでは、コンフォートラインの方が優れ、それはゴルフらしくもあってより好ましく思われるわけだ。Part 2でも記したように、シングルチャージャーエンジンがツインチャジャーに比較すればまだダイレクト感があることも、好感度を増している。

090524VAS009.jpg試乗して強く印象づけられるのは、ゴルフ6はもうプレミアムの領域に迫りつつあるということだ。特にハイラインは装備面も含めて、そうした感が強い。走行性能はもちろん、静粛性をはじめとしたコンフォート性も上級車を凌駕しつつあるし、その内容はプレミアムに優るとも劣らないところにきている。それでいて、排ガス性能、燃費はピカイチ。これからの時代、これこそがプレミアムの証ともなるはず。ともあれ、6は5の熟成版ともいえるだけに、熟成感、凝縮感がきわめて濃い。まあ、他のコンパクトクラスとは比較しない方がいいかもしれない。いや、できないかもしれない。スタンスはあくまでもコンパクトクラスだが、こうしてみると、ゴルフはやはり別格のクラスレスカーだからだ。

ちなみに、噂されているトレンドラインは、新型ポロに搭載された1.2リッター+ターボのTSI、105ps仕様を搭載するという。思うに、これが本当のゴルフ6。

(Text by M.Ogura)
トラックバック(2)
URL:http://8speed.net/blog/mt-tb.cgi/188

ゴルフ6のエンジンは、いまのところ2種類。いずれも1.4リッターのTSIで、ハイラインには、ツインチャージャーの最高出力118kW(160ps)/580... 続きを読む

8speed.netの長期テストカー、ゴルフⅥのハイラインを受けとって、メーターをチェックすると、その走行距離はわずか25㎞。これなら京都往復のナラシの... 続きを読む