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【試乗記】ゴルフ6試乗リポートby オグラ Part 1
090513VAS009.jpg8speed.netの長期テストカー、ゴルフⅥのハイラインを受けとって、メーターをチェックすると、その走行距離はわずか25㎞。これなら京都往復のナラシの甲斐が絶対にあるはずと予測したのだが、意外やその効果はごくわずかなものだった。このゴルフⅥ、機械としての精度、品質がきわめて高く、最初っからすべてが滑らか、かつしなやか。なんだか肩すかしを食らったような気分になったが、それはうれしい誤算でもあった。
090513VAS010.jpg走り出して、すぐに気がついた点は、ステアリング操作にシットリ感がうまれていることや、7速DSGの発進時のクラッチミートがさらにうまくなって、その後のシフトアップもより滑らかになっていることなど。信号で止まって、アイドリング時の静粛性が半端なものではないことも分かる。クラスがひとつ、いやふたつぐらい上のクルマに乗っているような感覚だ。洗練された印象で、とりあえず第一印象は悪くない。

090513VAS011.jpgステアリングのシットリ感は、ZF社製の電動パワーステアリングが新開発のものとなって、その制御もより細かくなったことが功を奏しているようだ。従来のものは、妙な癖がなく、電動パワステのなかでは高い評価を得ていたが、ドライな感覚があまりに強く、油圧パワステに慣れた者にとってはもうひとつシックリこなかった。それが操舵の軽さは そのまま、まるで油圧パワステのごとき操作感になっているのだ。

090513VAS006.jpgもうひとつ、ステアリング関連で好ましく思えたのは、ステアリングシャフトの角度が微妙に増して、あるいはシャフトの支点が低くなって、ドライビングポジションがより自然になったように思われる点だ。Ⅴのステアリングは、オーバーな表現をさせてもらうと、ステアリングシャフトの角度が地面とほぼ並行のような感じがあって、ステアリング自体は立っていた。だから、ステアリングが上から降りてきているような、微妙な違和感があって、チルト機構で調整しても不満が残った。特に上背のない小柄な人にはやや馴染みにくいものだったと思われる。こうなった原因は、おそらくダッシュボードをトゥーランと共通のものにしたため。アップライトな姿勢で座らせるトゥーランのドライビングポジションに合わせたためだろう。いってみれば、行きすぎた合理化の弊害だ。それが、Ⅵでは、ごく自然な位置関係になっている。電動のパワステとともに、ステアリングシャフトも新開発されたとのことで、推測の域を超えないが、その取り付け角度が再考されたようなのだ。当初、この感覚は、ダッシュボードのデザインがゴルフ専用のものとなったための、視覚からくる変化とも思われたが、そうではないようだ。

090513VAS005.jpg7速DSGの振る舞いはさらに洗練されたものとなっている。調べてみても、なにが改良されたとかの情報はないが、クラッチミートがうまくなっていて、発進も滑らか。ヒルホールド機能もうまく働くようになっていて、以前ほどのギクシャク感はない。多分、このDSGに関しては、いわゆるランニングチェンジが頻繁に行なわれていて、制御の精度の高さが一段と高まっているものと思われる。ごく普通に加速していくなら、シフトアップのショックはほとんど感じられない。タコメーターの針がピクンと下がって、ギアが変わったことを知るという具合だ。体感するのではなく、視覚的に、なのである。

090513VAS003.jpgそして、なにより驚かされたのは、その静粛性だ。なにしろ、アイドリング時、かすかに聞こえてくるのは、ファンの作動音のみ。それは、純正ナビゲーションシステムの冷却用ファンの羽音。パソコンのファンが回っているような、音だけだ。エンジンは、遙か遠くにあるような感じで、まるでその存在を意識させない。やや大げさな表現をさせてもらうと、その静寂さゆえ、ひとりでいると、寂寥感を覚えてしまうほど。もし、友達以上、恋人未満の二人なら、なにか気まずい雰囲気になってしまいそうな静けさだ。

090513VAS012.jpg静粛性の獲得には、フロントガラスに遮音PVBフィルムを挟み込んだり、フロント・サイドウインドーの厚さを10%増しに、さらにウインドーガイドシールを二重構造にするなど様々な努力が重ねられている。Aピラーのレインチャンネルも変更されて、風切り音を低減する形状となっている。タイヤが発するパターンノイズに関しては、ホイールハウス内部に遮音材を加えてもいる。エアコンなどの送風音にも対応して、ダクトやファンブレードの改良を実施している。広範囲にわたって遮音材が使われていることも明らかになっている。ともあれ、驚くほど微に入り、細に入りの配慮がなされている。

090513VAS001.jpgただ、走り出すと、様相はいささか異なってくる。意外なまでにタイヤのパターンのイズが聞こえてくる。とはいえ、ガッカリするのはまだ早い。これは長距離、長時間をクルマの中で過ごせば分かることだが、このパターンノイズは、運転に必要なインフォメーションとして、コントロールされながら残されたものだからだ。風切り音など他の雑音を消したために、タイヤのパターンノイズが相対的に大きく聞こえるという現象。高速道路走行では、かなり静かになっていることを実感する。たとえば、結構な速度域であっても、ナビシートの住人と普通に会話できたりする。体感する車速は、メーター上100㎞/h時で80㎞/hぐらい。120~130㎞/hになってようやく100㎞/hで走っているなという感覚。それほど、実は静かなのである。長距離、長時間走行後の疲れ方は、この高い静粛性ゆえにⅤよりⅥのほうが圧倒的に少ないといえるだろう。

結論は急がないことにしよう。Ⅵについてはまだまだ書きたいことがある・・・。

(Text by M.Ogura)


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