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Author:石川 隆

1967年生まれ。国家2級ガソリン整備士。現在、イシカワエンジニアリングを経営中。

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【特別編】イグニッションコイル編 - 3
101130itt01-1.gif前回は純正ダイレクトイグニッションコイルの構造やOKADA PROJECTが製造するダイレクトイグニッションコイル『プラズマダイレクト』に交換することで得られるメリットなどについてご紹介しました。最終回である3回目は「純正イグニッションコイルとプラズマダイレクトの性能比較とトルク、パワーが上がる理由」を引き続きOKADAPROJECTSの技術担当・下岡さんから話を聞いてきました。

101130itt01-2.gif今回は、プラズマダイレクトの最大の特徴であり核となる「マルチスパーク(複数回点火)」「電流の増加」について説明です。
プラズマダイレクトは独自のシステムをイグニッションコイルに内蔵させることで、他のイグニッションコイルでは類を見ないマルチスパークや電流の増加を行なっています。このシステムは個々のイグニッションコイルの性能やエンジンタイプに合わせてセッティングを行なうため、膨大な数のシステムが存在します。

実際にオシロスコープの点火波形を見ながらプラズマダイレクトと純正イグニッションコイルの性能を比較してみましょう。

1)マルチスパーク(複数回点火)
純正イグニッションコイルでは1回のスパークしか発生していませんが、プラズマダイレクトは確実な着火を行なうため3回以上のスパーク(マルチスパーク)を発生させます。このマルチスパークは100万分の1秒という単位で発生させることが可能で高回転域に至るまでマルチスパークを持続させることが出来ます。
(左は純正イグニッションコイル電圧、右はプラズマダイレクト電圧)101130itt002.gif101130itt003.gif
2)電流の増加
電流とはプラグの電極間に流れる電気量です。純正イグニッションコイルは約10Aまで立ち上がったあと、0Aまで下がり多少上下しながら落ち着きます。0Aに下がる際にノイズが発生しています。一方、プラズマダイレクトは立ち上がり電流こそ純正イグニッションコイルと同じですが、その後は純正イグニッションコイルとは異なりマイナス側まで電流が大きく移動します。さらに大きな交流波形を繰り返しながら最終的に0Aに落ち着くこととなりますが、この時にマイナス分に発生した電流が通常電流に加算されスパーク電流となります。
(左は純正イグニッションコイル電流、右はプラズマダイレクト電流)
101130itt004.gif101130itt005.gif

では、なぜスパーク電流が増えると燃焼効率が良くなるのか?
燃焼行程では、まずスパークプラグの電極間に火花が飛びます。その後プラグの電極間に火種(火炎核)が発生し、その火種は徐々に成長(大きく)して最終的に混合気を燃焼させます。

先にご説明した通り電流とはプラグに流れる電気の量となりますので、電流(電気の量)が多ければ火花が混合気に触れる面積も大きくなり、火種を大きく形成することができるのです。

大きな火種と小さな火種、どちらが混合気を早く燃やせるか・・・もうお分かりですね。101130itt008.jpg
シリンダー内の混合気を素早く燃焼させることで、エンジンが発生するパワー、トルクが向上し、アクセルレスポンスの改善やノッキングの防止や減少にも効果を発揮します。また燃費の向上や有害排出ガスの低減など、イグニッションコイルの性能アップによって様々なメリットを得ることが出来るのです。

シャーシダイナモ(ダイノパック)を使用して、純正イグニッションコイルとプラズマダイレクトの比較テストを行いました。テスト車両は改造を行っていないノーマルのゴルフ4 GTIです。比較結果では全体的に純正を上回り、トルクが最大値で約1kgm、パワーは最大値で6psの向上を確認しました。このようにイグニッションコイルの性能アップは『数値』としても確実に表れてくれます。
101130itt007.jpg
ここまでイグニッションコイルの仕組みや構造、性能アップを行うことのメリットを紹介してきました。点火系のチューニングは、手軽に行えるメニューの一つなので、初心者の方、たくさんチューニングを施している方、古くなってパワーを取り戻したいなど様々な状況でも効果を発揮してくれるパーツです。先ずは点火系から・・・という動機でクルマをいじってみては如何でしょうか?変化を体感することでクルマに対する興味がもっと深まるかも知れませんよ。

■関連リンク:OKADAPROJECTS

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