2023年9月19日、フォルクスワーゲンは3代目となる「Tiguan」を初公開した。
フォルクスワーゲンの「Tiguan」は、2007年のデビュー以来、累計販売760万台を記録するコンパクトSUV。この人気モデルが3代目に進化した。
新型の一番の見どころは、横置きエンジン車向けの基本設計であるMQBを進化させた「MQB evo」を採用するとともに、最新のフォルクスワーゲン デザインを随所に採り入れたことだ。
MQB evoについては上記のレポートをご一読いただくとして、この新型Tiguanでは、先に発表されている新型「Passat Variant」同様、新開発のパワートレインやシャシーコントロールシステムが搭載されている。たとえば、パワートレインには、新開発のeHybrid(プラグインハイブリッドシステム)により約100kmのEV走行が可能となった。このほか、TDI、TSI、eTSI(48Vマイルドハイブリッド)が用意されている。
アダプティブシャシーコントロールのDCCは、2バルブ式のダンパーを用いたDCC Proとなり、ダイナミックな走りと快適な乗り心地をより高いレベルで両立している。
デザインでは、細くフラットなLEDヘッドライトとガラスで覆われたLEDストリップが新世代のフォルクスワーゲンの顔を表現。ラジエターのエア取り入れ口はバンパーのアウト側に配置され、エアカーテンの採用とあいまってCd値は0.33から0.28に低減している。
LEDヘッドライトは、MQB/MQB evo車両として初めて、IQ.LIGHT HDマトリックスヘッドライトを搭載。片側あたり19,200ピクセルのLEDにより、高精度な配光を実現する。
インテリアデザインも大きく変わった。すでに新型Passat Varinatに採用されている大型のタッチディスプレイを搭載することで操作性を向上。インフォテインメントシステムは最新のMIB4を採用した。
センターコンソールからはシフトレバーが姿を消し、代わりにステアリングコラムの右側にドライブモードセレクターを配置した。操作は、ID.4と同様、スイッチを回転させることでR-N-Dを切り替える。これにともない、ウインカーとワイパーのレバーはステアリングコラムの左側に統合されている。
新型Tiguanは、早ければ2024年第1四半期にヨーロッパで販売が開始される。
(Text by Satoshi Ubukata)