ヒストリックフォルクスワーゲンのレアモデルが価格上昇中! なかでも「Flidolin(フリドリン)」は注目の一台だ。

※この記事は「Auto Bild JAPAN Web」より転載したものです。

画像1: Flidolin

Flidolin

郵便局に導入された当初こそ安価で購入できたが、この6年間で8万ユーロ(約1,064万円)以上と高騰している。そして、バルメンのコーチビルダー、ヘブミューラーによって架装された「Beetle Cabriolet」は、以前から価格が高く、状態の良いものはオープンタイプのカルマン製のBeetle Cabrioletの2倍の値段になる。

市場調査会社クラシックデータのマリウス・ブリューネ氏は、「希少性が価格を押し上げる要因になっています。保存されている車両の数は3ケタで、コレクターからの需要も比較的多いからです」と語る。

最近では、スポーツクーペの「SP2」やシューティングブレークの「ブラジリア」など、ブラジルの子会社である「VW do Brazil」のドイツ未発売モデルにもコレクターの関心が集まっている。

クラシックデータ社は、フォルクスワーゲンの希少なヤングタイマーが今後評価が高まる可能性が高いと見ている。一方、ブリューネ氏は「Passat W8」はその例外と指摘する。

Golf Country(1990-1991)

最近、価格の上昇が目立つエキゾチックモデルのひとつ、「Golf Country」。SUVの仮面をかぶったクルマ。これは、現在のようなクロスオーバーSUVの最初の1台が登場する何十年も前からあったものだ。

画像1: Golf Country(1990-1991)

「Golf 2」をベースにした「モンタナ」のスタディモデルは、顧客からの人気が高く、ディーラーでは発売前から注文を受けていた。そこでフォルクスワーゲンは、4WDのシンクロ、4ドア、120mm高いボディ、アンダーガード付きのカンガルーバンパー、リヤのスペアホイールなど、今日のSUVの先駆けを、2年弱かけてCountryとしてつくり上げたのである。

1990年、AUTO BILD誌は「間違った時期に間違った場所に現れた」と書いた。しかし、今日、車高の高いGolf2は、珍品からカルトカーへと進化している。7,735台しか製造されなかったデフロックのない準クラッカーは、ここ数年価格が高騰し、良い状態の個体は、長い間1万ユーロ(約133万円)を下回ることはなかった。値上がりは鈍化しているものの、状態の良い上位機種は価格上昇の余地がある。

画像2: Golf Country(1990-1991)

コンディション2:12,400ユーロ(約165万円)
コンディション3:7,500ユーロ(約100万円)

Karman Ghia 1600L Type 34(1965-1969)

Beetleをベースにした「Karman Ghia Type 14」とは対照的に、この大きなカルマンは、かなり無名である。小型のギアが発売されてから5年後に製造され、当時の「Big VW」である「Type 3」のプラットフォームが採用されている。

画像1: Karman Ghia 1600L Type 34

Karman Ghia 1600L Type 34

しかしながら2+2シートを備えたクーペは、小型のKarman Ghiaのような成功を収めることができず、オスナブリュックで生産されたのは合計42,505台のみであった。コンバーチブルも設計されたが、生産されることはなかった。

画像2: Karman Ghia 1600L Type 34

Karman Ghia 1600L Type 34

曲線のビーズを使ったバロック調のボディ(デザイン:Tom Tjaarda)は、残念ながら非常に錆びやすく、多くのスペアパーツが入手できなくなっている。現在では、マニアはそのために高額の出費を覚悟しなければならない。良い車(コンディション2以上)だと5万ユーロ(約660万円)以上はザラで、スペアパーツの値段も高い。

コンディション2:48,200ユーロ(約641万円)
コンディション3:22,300ユーロ(約296万円)

画像: Karman Ghia 1600L Type 34(1965-1969)

Volkswagen Type 166 Schwimmwagen(1942-1944)

Schwimmwagen(シュビムワーゲン)は、戦争のためにつくられたため、多くのコレクターはガレージの奥に秘蔵していることが多い。民生用モデルは存在しなかった。

画像1: Schwimmwagen

Schwimmwagen

1942年から1944年にかけて14,000台以上のSchwimmwagenが製造されたが、そのほとんどは当然ながら戦火の犠牲となった。現在でも、希少性は裕福な軍需品コレクターを魅了し、価格にも少なからず影響を与えている。

一方で、ナチスの遺物にあまり興味がない人は、コンバーチブルトップとプロペラを装備した全輪駆動のVWの本格的なオフロードと水上性能に熱狂する。

画像2: Schwimmwagen

Schwimmwagen

現在では国際的なオークションを通じて販売されることが多い。Type 166は、4年前から再び価格が上昇している。さらなる価値の向上が期待できるだろう。

コンディション2:137,000ユーロ(約1,822万円)
コンディション3:81,700ユーロ(約1,086万円)

画像: Volkswagen Type 166 Schwimmwagen(1942-1944)

Volkswagen Type 147 Flidolin(1965-1974)

このクルマは、少なくとも「Flidolin」という名前と同じくらい不思議で無名な存在だ。フォルクスワーゲンがドイツとスイスの郵便局向けに製造したBeetleまたはKarman Ghiaベースのバンの名前の由来は完全には不明である。フォルクスワーゲンは、この車のノーズを初めて見た工場労働者が、「自分の同僚に似ている」とおったのが始まりとされている。

画像2: Flidolin

Flidolin

いずれにせよ、この34PSの小型バンは、ヴィーデンブリュックにあるフォルクスワーゲンコンバージョン専門メーカー、ウエストファリア社の工場から、わずか6,139台しか出荷されなかったという事実がある。そして2015年、専門家はFlidolinは激しい価格高騰のあと、高水準で安定すると考えていた。そのとおり、現在はなんとも高価格になってしまった。高級車は145%価格がアップし、8万ユーロ(約1,064万円)を超えるようになった。

実用的な郵便車は3桁の少数しか生き残っていないので、いまは価格情勢が冷え込んでいても、このまま上がっていく可能性がある。オファーも少なく、コレクションモデルとして市場に出る可能性が高い。

コンディション2:81,000ユーロ(約1,077万円)
コンディション3:40,500ユーロ(約538万円)

画像: Volkswagen Type 147 Flidolin(1965-1974)

Volkswagen SP2(1972-1976)

「Volkswagen SP2」は、大型のカルマンと対をなす、ある意味エキゾチックな顔立ちの車である。SP2は、1972年にフォルクスワーゲン ド ブラジルでのために製造された。

画像1: Volkswagen SP2

Volkswagen SP2

フラットクーペは、同じくフラットな4気筒ボクサーエンジン(54または65PS)をリヤに搭載している。SP2という略称の意味については、疑問の余地がないほど解明されていない。説明は、生産地であるサンパウロから、「スペシャルプロジェクト」、「スポーツプロトタイプ」まで多岐にわたる。

ポルトガル語では「Sem Potencia」、つまり「力がない」と解釈している。65PSのボクサーは0-100km/hを15秒でこなす。しかし、このフラットエンジンのクーペは、見た目はレーシーだが走りはそこそこだ。

画像2: Volkswagen SP2

Volkswagen SP2

メディアやイベントでの紹介により、ヨーロッパでの知名度が大幅に上がり、愛好家の財布の紐が緩んだ。状態の良い個体であれば、すぐに4万ユーロ(約532万円)のハードルをクリアできるだろうが、上昇トレンドはやや鈍化している。

コンディション2:37,000ユーロ(約492万円)
コンディション3:23,600ユーロ(約314万円)

画像: Volkswagen SP2(1972-1976)

Beetle Cabriolet

このヘブミューラーのBeetle Cabrioletはわずか696台が生産されたあと、ヴュルフラートのヘブミューラー社の工場が全焼し、倒産してしまったのだ。それ以来、カブリオレはカルマン社だけが製造していた。現在、ヘブミューラーの2シーターは100台余りしか存在していない。そのため、コレクターは通常のカルマン製カブリオレの何倍もの値段で購入することになる。

コンディション2:16万ユーロ(約2,112万円)以上

画像: Beetle Cabriolet

Beetle Cabriolet

Passat W8

8気筒でラグジュアリークラスで打って出る、そんなフォルクスワーゲンの夢は2004年に2,359台目をラインオフしたところで頓挫する。プレミアムなPassatが、いつかマニアに評価される日が来るかどうかは、わからない。何しろ、もはや年々価格は下がっているのだから。

275PSの4L W8エンジンを搭載したミッドサイズカーは、整然としたコンディション3で、6,300ユーロ(約83万円)からで売り買いされている。インテリアにはウッドトリムとコノリーレザーが採用されている。ステーションワゴンバージョンは、さらにレアだ。

(Text by Martin G. Puthz / Photos by autobild.de)

画像: 【Auto Bild】フォルクスワーゲンの希少モデルが高騰中!

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