2019年10月に発売になるディーゼルエンジン搭載の「シャラン TDI ハイライン」を、富士山麓で開催された試乗会でチェックした。

画像1: 【ミニ試乗記】シャラン TDI ハイライン

2018年から「TDI」と呼ばれるディーゼルエンジン搭載モデルの充実を図っているフォルクスワーゲン グループ ジャパンが、今回、主力の「ゴルフ」とともに日本導入を決めたのが、7人乗りミニバンの「シャラン」だ。ちょうど1年前、コンパクトミニバンの「ゴルフ トゥーラン」にTDI版が発売されているが、よりボディサイズが大きく、両側スライドドアが装着される本格ミニバンのシャランに、TDIエンジンが搭載されるのを心待ちにしていた人は少なくないだろう。

画像2: 【ミニ試乗記】シャラン TDI ハイライン

搭載されるTDIエンジンは、他のモデルと同様、排気量2Lの直列4気筒ディーゼルターボエンジンで、ゴルフシリーズなどの150ps版、パサートシリーズの190ps版に対し、このシャランにはその中間の177ps版を採用。最高出力130kW(177ps)/3500〜4000rpm、最大トルク380Nm(38.8kgm)/1750〜3250rpmの2.0 TDIに6速DSGが組み合わされる。

画像3: 【ミニ試乗記】シャラン TDI ハイライン

さっそく、クルマを発進させると、動き出しの瞬間こそガソリンエンジンモデルに比べて約80kg増しの1900kgという車両重量を意識させられ、また、重いぶん、低回転でのトルクがもう少しほしいと思うが、エンジンの回転数が1800rpmを超えたあたりから力強さを増し、シャランの動きがガゼン軽快になる。

高速道路の合流といった場面で、アクセルペダルを深く踏み込むと、2500rpmを超えたころからさらに勢いを増し、すぐに目標の速度に。4000rpmを超えてからのトルクの頭打ちも感じられず、レブリミットの5000rpm付近まで淀みなくエンジン回転を上昇させるのは、ゴルフの150ps版とは性格が異なる部分だ。

画像4: 【ミニ試乗記】シャラン TDI ハイライン

一方、ゴルフの150psに比べると走行時のエンジンノイズがやや大きく、6速、100km/hを1600rpmで走行している状況でも、TDIのノイズがわずかに耳に入ってくる。加速時のノイズもゴルフに比べると大きめだが、しばらく運転していると、あまり気にならなくなる音質なのが救いといえる。

画像5: 【ミニ試乗記】シャラン TDI ハイライン

走りっぷりは、フォルクスワーゲンらしい落ち着きのある挙動を示すが、まだ走行距離が短いせいか乗り心地はやや硬め。目地段差を越える場面でショックが気になることもあったが、距離が伸びると印象は変わるかもしれない。

コーナーでは、それなりにロールはあるもののその動きは穏やか。見た目からは想像できないかもしれないが、ミニバンとは思えない軽快なハンドリングは、シャランの美点でもある。

余裕あるボディサイズのおかげで、セカンドシードはもちろんのこと、サードシートでも無理なく大人が座れるのもシャランの魅力。サードシートを畳めば広大なラゲッジスペースが手に入るので、多人数で乗車する機会が多い人や、より広いラゲッジスペースを求める人は、ゴルフ トゥーランよりもこのシャランのほうがお勧めである。

短時間の試乗ということで燃費のチェックができなかったので、後日あらためて借りだし、長距離ドライブでその実力を確かめたいと思う。

画像11: 【ミニ試乗記】シャラン TDI ハイライン

(Text by Satoshi Ubukata)

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