■Golfsrudel #02 ■Museum ■Stockerau (Austria)

「いやー、参った!」ってドイツ語でなんていうんだろ。

ともかく、私のウィーン紀行は「玄関開けたらゴルフが100台♪」という未曾有の光景から始まりました。足を踏み入れて早々、頭上に鎮座するラリーゴルフのホワイトボディに迎えられもう笑うしかありません。どこから手に入れるのやら。

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画像1: Golfgang特別編 Part2 「ゴルフの群れ」はお宝だらけ

博物館の名称、ゴルフスルーデルムゼウム(Golfsrudel Museum)は、は、ゴルフ検定一級のアナタならお察しの通り、関係の深い”WolfとGolf “の言葉遊びーダジャレです。「なにそれ?」という方のために説明すると、フォルクスワーゲン本社のあるウ(ヴ)ォルフスブルクは、狼の城、という意味で、初代ゴルフのステアリングには城の紋章を模した狼柄のエンブレムが埋め込まれているのです。ドイツ語のWolfsrudelは「狼の群れ」という意味だから、Golfsrudelは「ゴルフの群れ」ということになります。上手いし、洒落てる。

webの画像では、所狭しと押し込められていたゴルフたちですが、2019年3月に博物館として公開するにあたり、ヨーゼフがいうところの「半端ない時間と労力」でもってきちんと年代ごとに並べられ動線が設けられています。そりゃ、ミニカーの並べ替えだってできればやりたくないのに、1/1サイズを100台も動かすなんて……。

それにしても、「Keinen Polo,Keinen Scirocco! NUR GOLF!」(ポロもシロッコもないよ!ゴルフだけよ!)と強調する、ゴルフ好きには夢のような館。

中でも「コイツはイケてるだろ」とヨーゼフが特にオシしてたゴルフを少しご紹介いたします。順路の最初にいるのがこの「スライドドアゴルフ」。フォルクスワーゲンに部品を供給していたドアヒンジメーカーによる改造なんですが、1973年製ということで、実車デビューの前年の一台。「本社から譲って欲しいといわれたけど断った」そうだけど、そもそもどうしてここに?と問えば、入手経路はオークションとのこと。ドアは今でもスムーズに開閉可能で、これ一台しかない遺産級ゴルフ。というか、そんなゴルフばっかりなんですけど。

初代ゴルフなんてブルーのグラデで並んでいやがりますよ。

画像4: Golfgang特別編 Part2 「ゴルフの群れ」はお宝だらけ

これから訪れる人のネタバレになりすぎてもアレですのでザッと飛ばしまして、次はこの電動ゴルフ1。1982年製ですって。フロントグリルがパカっと開いて充電ケーブルが出現。こんなゴルフ初めて見た。初代ゴルフの時代にすでに、です。バッテリーはリヤトランク、頭脳と思しき基盤はまだコンデンサーはんだ付け。アナログ的ルックスが80年代してる。

この渋い1982年製のGTIは「アラブの首長」が特注したもので、なにかとすごい。内装はウッドとレザーで固められ、エアコンに電動ウィンドウ、そして車載電話を装備。エンジンはあのエッティンガーの2000Eに換装……。もうすこしで「ゴルフワン(5621)」になりそうなナンバープレートと共に、まさに博物館入りの一台。

こんな風に、ヨーゼフ氏のゴルフ・コレクションはカタログモデルというよりは、一点モノや本家も欲しがるプロトタイプにあふれています。一台が濃い。濃すぎる。

画像12: Golfgang特別編 Part2 「ゴルフの群れ」はお宝だらけ

次回は、私とヨーゼフが知り合うきっかけとなったこれまた希少なゴルフをご紹介します。

まだ続く……

(Text & Photos by Kenji Yokokawa)

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