120907-KW-11.jpgドイツのサスペンションブランド「KW」が誇る先進のサスペンションシステム「KW DDC ECU」を、公道でチェック。その実力は?



今回の試乗会は、日本におけるKWの総輸入元である120907-KW-12.jpg
さて、KW DDC(ダイナミック・ダンピング・コントロール) ECUは、車高調整に加えて、電子制御により減衰力調整が可能なサスペンションキット。ダンパーの減衰力は室内に設置した付属のスイッチにより「COMFORT」「SPORT」「SPORT+」の3段階から選ぶことが可能。つまり、「DCC(ダイナミックシャシーコントロール)」非装着のGTIが、このDDC ECUにより生まれ変わるのだ。

ちなみに、DCC付きのGTIには、その機能を活かしながら車高調整が可能なKW DDC "プラグ&プレイ"が用意されている。純正DCCのカプラーをKWダンパーに接続することで、純正スイッチがそのまま利用できる。

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KW DDC ECUの先進性はこれに留まらない。オプションのワイヤレスモジュールを追加すると、さらに詳細なサスペンションセッティングがiPhoneなどの操作で可能になるというのだ!

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120907-KW-20.jpgこの試乗会のためにドイツから来日したKWのミハエル・グラッセル氏は、「スマホで減衰力の調整ができたらいいよね、と冗談交じりに話していたら、若いエンジニアが『できるかもしれませんよ』と言い出し、そこからプロジェクトが始まりました」と語る。
実際に商品ができあがるまでは、そこまでのシステムが必要かと疑問視する声もあったとか。「しかし、オートクルーズと同じで、一度使い始めると、なくてはならない機能になるんですよ」。

iPhone(iPod touchやiPadも利用可能。アンドロイド用は近日リリース予定)の操作はとても簡単。専用のアプリケーションをダウンロードし、WiFi経由でワイヤレスモジュールと接続すれば、あとはiPhoneで減衰力がリアルタイムで設定できようになる。

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写真左上はベーシックモードの画面で、「COMFORT」「SPORT」「SPORT+」の文字付近をタップすると、減衰力が切り替わるとともに、車両側のスイッチ上のインジケーターも同じ色に変わる。

一方、アドバンスモードに切り替えると、フロント、リアの減衰力が0〜100%のあいだで自在に設定可能だ。ただし、安全性を考慮して、前後の数値の差は最大30%以内に抑えられる。また、「FA+RA」をオンにすれば、前後を同じ減衰力にすることも可能だ。

設定したデータは最大5パターンまで保存することが可能。また、その数値をメールで送信することもできる。

120907-KW-13.jpgそんなレクチャーを受けたあと、まずはベーシックモードでCOMFORTを選び、デモカーのゴルフ6GTIを発進させた。
「KWストリートコンフォートキット」に近いというCOMFORTは、安定感の高い引き締まった印象でありながら、十分な快適性を確保。しかも、一般道でのバランスが良いだけでなく、高速でスピードを上げたときにも不快な動きが現れない。COMFORTに限らず、実はスピードが上がるにつれて減衰力が4段階に変化するため、常にドライバーの期待する特性が得られるというわけだ。

ワインディングロードに足を踏み入れたところで、SPORTに切り替える。こちらは「KW V-3キット」に相当するスポーティな味付けで、姿勢変化が抑えられるにもかかわらず、乗り心地が悪化しないのがうれしいところだ。

試しにSPORT+に切り替えると、サーキット走行を前提とした「KW クラブスポーツサスペンションキット」に相当するというだけに、ワインディングロードではハードすぎる印象。ただ、コーナーによってはSPORT以上、SPORT+未満の減衰力がほしくなることがあったのも事実だ。

そんなときに威力を発揮するのがアドバンスモードだ。ゴルフ6GTI用のDDC ECUのプリセット値(低速時)が、

COMFORT:前 0 / 後 0
SPORT:前 19 / 後 25
SPORT+:前 100 / 後 100

というので、いろいろ試行錯誤したところ、前後とも30%に設定すると、このワインディングロードを走るのに好ましい減衰力が得られた。

これまでは、クルマを停めて、ダンパーのダイヤルを調整してはチェックするということを繰り返してきたわけだから、好みのセッティングを求めるプロセスが、このDDC ECUにより一変したといっても過言ではない。とくに時間との戦いでもあるサーキットでのセッティングなら、DDC ECUの効果は絶大といえるだろう。

もちろん、ふだんのドライブでも、乗車人数や荷物の量にあわせて簡単に減衰力が調整できるのはとても便利だ。

ゴルフ6GTI用の場合、価格は42万8400円。オプションのワイヤレスモジュールは5万2500円である。走る楽しさが格段にアップすることを考えると、この投資は決して高くはない。また、ゴルフ6GTI以外にも、同じ価格でゴルフ5用(ゴルフプラス、ゴルフヴァリアント、R32などを含む)、ゴルフ6用(ゴルフRを除く)も用意されている。他のフォルクスワーゲンモデルやアウディ用もラインアップしている(一部価格が異なる)から、興味のある方は輸入元、または、ショップに問い合わせてみてはいかがだろうか?

(Text by Satoshi Ubukata)

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