100827vwlogo001.jpgのサムネール画像2015年11月25日、フォルクスワーゲン グループは、リコール対象となるEA189ディーゼルエンジンの対策内容をドイツ自動車交通局(KBA)に提示した。
対象となるEA189型1.6L TDIでは、エアマスセンサー手前に「フロートランスフォーマー」と呼ばれるパーツを装着してエアマスセンサーの精度を向上させるとともに、制御プログラムの書き換えを行う。対策に要する時間は1時間未満だという。

また、2.0L TDIは制御プログラムの書き換えのみで、所要時間は約30分となる。

なお、1.2L TDIについては11月末にはKBAに提示する予定だという。

実際のリコールは2016年1月から開始され、2016年いっぱいかかると見られるが、リコールが未対策の状態であっても安全に使用できると、フォルクスワーゲンは強調している。

フォルクワーゲンのプレスリリース(和訳)は以下のとおり。

リコール対象になる EA189 ディーゼルエンジンの技術的対策を、ドイツ連邦
自動車交通局 (KBA) に提示

・欧州での NOx 排出ガス問題を解決する上での次なるステップ
・1.6 TDI エンジン用は、簡単なハードウェア対策
・2.0 TDI エンジン用は、ソフトウェア更新のみ
・目標:燃料消費量とパフォーマンスに影響を及ぼさないこと

ウォルフスブルグ、2015 年 11 月 25 日、ディーゼル問題の明確化と解決が進んでいます。フォルクスワーゲン グループは、ドイツ連邦自動車交通局 (KBA) に、対象となっている排気量 1.6 および 2.0 リッターの EA189 エンジンに関する具体的な技術的対策を提示しました。これにより、大半の該当車両への対策が確定したことになります。この技術的対策の開発に際しては、お客様の利便性を最優先しました。技術的対策が実施 された後、車両は該当する排出基準を遵守します。また、1.2 リッターのディーゼルエンジン用の 最終的な技術的対策については、今月末に KBA に提示を予定しているソフトウェアの更新だけになる見込みです。

今回該当する EA189 ディーゼルエンジン用に開発した技術的対策は、KBA に提示され、KBA は、これらの対策を詳しく検証したうえで承認しました。これにより、大半の該当車両について、不正の 解消方法が明確になりました。

- 1.6 リッター、EA189 エンジンのエアマスセンサーの手前に、「フロートランスフォーマー」という 網目状のパーツを装着します。これにより、エアマスセンサーの手前で生じる渦巻き状の空気の 流れを整えられて、エアマスセンサーの測定精度が大幅に改善されます。エアマスセンサーは、最適な燃焼プロセスを確保するエンジン制御に欠かせないパラメータである吸気時の空気量を測定するものです。加えて、このエンジンでは、ソフトウェアの更新も行われます。この技術的 対策の実施に要する時間は、1 時間未満と予想されます。

- 2.0 リッターエンジンでは、ソフトウェアを更新します。この作業時間は、約 30 分です。エンジン開発と複雑な吸気システム内部のシミュレーションが進化したことにより、最適化したソフトウェアと組み合わることで、比較的容易にお客様に優しい対策を作り出すことができました。

技術的対策の開発目標は、エンジン性能、燃費、走行性能に影響を及ぼすことなく、該当する排出 基準を遵守することでした。但し、派生モデルを含めたすべてのモデルの測定が完了して初めて、この目標の達成が最終的に確認できます。

KBA 承認済みの技術的対策を踏まえて、今後、該当車両がある EU 域内の 28 市場向けに必要な サービス対応計画をまとめます。2016 年 1 月から始まるリコールによって、該当車両で要求されている技術的対応が実施される方針です。現時点では、今回、リコール対象になるすべてのエンジンバリエーションへの対策には、2016 年いっぱいかかると予想されています。

フォルクスワーゲンは、今回の技術的対策の実施により発生するお客様の時間的負担を可能な限り 抑え、すべてのお客様に連絡することで、可能な限り、個別のニーズに配慮して、日常のモビリティへの支障など、不利益が生じないように対応してまいります。フォルクスワーゲンブランドは、お客様 に費用が生じない形で、必要に応じて代替の交通手段を確保してまいります。

対応策のひとつとして、10 月初めから、お客様は、www.volkswagen.de/info(ドイツ語サイト)にて、ご自身の車両が、今回のディーゼル問題に該当するか否か、車体番号(VIN)の入力だけで確認することができます。

上記の対策で、欧州で販売された車両のうち、該当する大半の EA189 エンジンへの技術的対策が確定することになりました。今月末には 1.2 リッターの 3 気筒ディーゼルエンジンに関する解決策も KBA に提示する予定です。

フォルクスワーゲン ブランドの対策に合わせて、アウディ、セアト、シュコダ及びフォルクスワーゲン商用車など、グループ傘下のブランドも対策を予定しています。

また、フォルクスワーゲン AG は、EA189 エンジン搭載車のソフトウェアに関する瑕疵担保や保証に基づく請求に対して、その請求権の時効期間が過ぎたものを除いて、2016 年 12 月 31 日まで 時効を援用する権利を放棄します。従って、お客様にお待ちいただくことによる不利益が生じない ようにいたします。

確実に言えることは、該当車両は、技術的に安全で道路上での使用での支障はないということです。

<日本に正規輸入しているフォルクスワーゲン車について> 日本に正規輸入しているフォルクスワーゲン車については、本件の対象になる車両はございません。

(Text by S.Ubukata)

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