2023年3月18日〜19日、三重県の鈴鹿サーキットでENEOS スーパー耐久シリーズ2023 Powered by Hankook 第1戦 「SUZUKA S耐」が開催され、ST-Zクラスに参戦した#21 ベンチャー投資のファンディーノ Audi R8 LMSは、欠場の危機に見舞われながらもそれを乗り越え、無事完走を果たした。
2023年のスーパー耐久シリーズには、GT4マシーンで争うST-Xクラスに、2台のAudi R8 LMS GT4と2台のPorsche 718 Cayman GT4 RSが参戦する。マシーンとドライバーラインアップは次のとおり。
- #19 BRP★SUNRISE-Blvd718GT4RS……鈴木建自/末廣武士/福田幸平/谷川達也
- #21 ベンチャー投資のファンディーノ Audi R8 LMS……山脇大輔/神 晴也/ショーン・ウォーキンショー/阿野雄紀
- #22 Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CS……北園将太/千代勝正/山野直也
- #34 SUN'S TECHNO Audi R8 LMS GT4……加納政樹/大草りき/安田裕信
2022年の第2戦から参戦しているAudi Team Hitotsuyamaは、ベンチャー投資のFUNDINNO(ファンディーノ)をメインスポンサーに迎え、マシン名「ベンチャー投資のファンディーノ Audi R8 LMS」として2023シーズンを戦う。Aドライバーには、2020年スーパー耐久ST-Xクラスチャンピオンの山脇大輔選手を迎える。一方、BドライバーはFIA-F4やスーパーフォーミュラ・ライツで実績があり、2022年にチームのCドライバーを務めた神 晴也選手をエースとして起用。Cドライバーは日本のSUPER GTなどで豊富な経験があるショーン・ウォーキンショー選手、Dドライバーには、2022年に引き続きAudi A1 Fun Cupで好成績を収めた若手の阿野雄紀選手が参加。さらに、ベテランドライバーの高木真一選手が監督兼Eドライバーとしてチームの指揮を執る。
開幕戦の舞台となる鈴鹿サーキットでは、レースに先立ち、16日、17日に専有走行が行われたが、#21 ファンディーノ Audi R8 LMSは16日の走行で、130Rで横転するクラッシュに見舞われ、マシーンは修復が不可能な状態になり、レースへの出場が危ぶまれる状況に陥ってしまった。しかし、2022年に#505 RED SEED Audi R8 LMS GT4を走らせていたAS SPORTがマシーンをレンタルすることになり、17日(金)の朝にマシーンが鈴鹿に到着。その後、必要なパーツの移植やマシーンのラッピングを行い、予選が行われる18日(土)の朝には、#21 ファンディーノ Audi R8 LMSの勇姿がサーキットに戻った。
スーパー耐久では、公式予選で記録したAドライバーとBドライバーの合算タイムでスターティンググリッドが決定される。18日午後には前夜からの雨も上がり、コースはほぼドライの状況に。ここで、#19 BRP★SUNRISE-Blvd718GT4RSがクラス4位、#34 SUN'S TECHNO Audi R8 LMS GT4が同5位、#22 Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSが同6位となる。一方、#21 ファンディーノ Audi R8 LMSはマシーンのセットアップが手つかずのまま予選に臨んだだめ、クラス最下位の11位で予選を終えている。
ST-Zクラスのトップは#52 埼玉トヨペット GB GR Supra GT4(山﨑 学/川合孝汰/服部尚貴/吉田広樹組)、総合のポールポジションはST-Xクラスの#500 5ZIGEN GTR GT3(HIROBON/川端伸太朗/塩津佑介/金丸ユウ)がそれぞれ獲得した。
翌19日、雲ひとつない青空に恵まれた鈴鹿サーキットでは午前11時45分から決勝レースが行われた。
ここで、#21 ファンディーノ Audi R8 LMSは不運に見舞われる。ピットからスターティンググリッドに向かう途中で左リヤタイヤの空気圧が低下。これに対応するため、スターティンググリッドで予選で使用したタイヤに交換するが、摩耗が激しいためそのままレースを戦うことはできない。やむなく、スタートドライバーの神選手は1周目を走り終えたところでピットストップを行いタイヤを交換。それと同時に阿野選手に交替する。
これにより#21 ファンディーノ Audi R8 LMSは1周遅れになり、序盤から厳しい戦いを強いられることになった。しかもレンタルしたマシーンを無事に返却しなければならない。そこでチームは、次戦以降に狙いを定め、この鈴鹿では各ドライバーのマシン習熟度を高めるとともに、無傷で5時間レースを完走することに作戦を変更する。
決勝レース中は、第2スティントを20周走った阿野選手が2分19秒769、第3/第6スティントを計25周走ったウォーキンショー選手が2分16秒735、第4スティントを31周した山脇選手が2分20秒113、第1/第5スティントを担当した神選手が2分14秒633をそれぞれマークするなど健闘した。
レースは残り約50分のところで、複数のマシーンが絡むクラッシュが発生し、赤旗中断後、そのままレースが終了。#21 ファンディーノ Audi R8 LMSは厳しい状況にもかかわらず、最終的にはクラストップから5周遅れ、クラス11位で無事完走を果たしている。
ST-Zクラスは、予選クラストップの#52 埼玉トヨペット GB GR Supra GT4が優勝。#19 BRP★SUNRISE-Blvd718GT4RSがクラス4位、#22 Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSが同6位、#34 SUN'S TECHNO Audi R8 LMS GT4が同7位。
また、総合ではST-Xクラスの#500 5ZIGEN GTR GT3がポール・トゥ・ウィンを果たしている。
次戦の第2戦は、5月26日〜28日に静岡県の富士スピードウェイで24時間レースとして開催される。
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Michinao Ishibashi, Satoshi Ubukata)