Audiオーナーやファンなら、一度はお目にかかったことがあるはずのフレーズが「Vorsprung durch Technik(フォアシュプルング ドルヒ テヒニーク)」。日本語で「技術による先進」と表されるAudiのスローガンが、2021年にその登場から50周年を迎えた。

画像1: 「Vorsprung durch Technik」が50周年

「Vorsprung durch Technik」が初登場したのは、1971年1月のこと。その2年前、インゴルシュタットのAuto Union GmbH(アウトウニオンGmbH)とネッカーズルムのNSU Motorenwerke AG(NSU自動車工業)が合併し、Audi NSU Auto Union AG(アウディNSUアウトウニオンAG)が誕生した。

当時のモデルラインアップは、空冷エンジンを搭載した後輪駆動の「NSU Prinz」シリーズから、水冷4気筒エンジンを搭載した前輪駆動の「Audi 60」「Audi 100」、ロータリーエンジンを搭載した「NSU Ro 80」など多岐に及び、この技術的多様性を競争上のアドバンテージにするというアイデアから、「Vorsprung durch Technik」が生まれたという。

このスローガンとともに、Audiの先進性に注目が集まるようになったのが、1980年の「Audi quattro」の導入。以後、quattroはAudiの代名詞として今日まで重要な役割を果たしているが、Audiは「Vorsprung durch Technik」という考えのもと、quattroの以外にも画期的な先進技術を生み出し続けてきた。

AUDI AG技術開発担当取締役のオリバー・ホフマン氏は、「このテクノロジーは、ラリーにおける成功の基礎であっただけでなく、レースの世界から市販車へと技術を移植してきた私たちの歴史を示しています。それ以来、quattroとアウディは切っても切れない関係となっています。同様に重要なのは、1994年にアウディスペースフレームテクノロジーを採用した最初のAudi A8です。このモデルは、プレミアムセグメントにおけるアウディの地位を決定的なものにするのに貢献しました」と振り返る。

2000年以降は、ルマン24時間耐久レースへの参戦とともに、FSI(ガソリン直噴)、TFSI(ターボチャージャー付きFSI)、レーザーライト、Ultra(軽量化)テクノロジー、ハイブリッドといったテクノロジーを磨きあげた。

さらに2018年には電気自動車のe-tronによって、eモビリティへの道を切り開いている。それは、環境問題に対する取り組みのひとつであり、「私たちは、先進性という言葉を再定義し、サステイナビリティ、デジタル化、電動化に焦点を合わせています。それはつまり、意味のあるテクノロジーを実現することによって、住みやすい未来に貢献することです」(AUDI AG販売およびマーケティング担当取締役のヒルデガルト・ヴォートマン氏)の言葉のように、Vorsprung durch Technikが新しい時代においても重要なスローガンであることを物語っている。

「私たちが常に目指してきたことは、変化によって動かされるのではなく、変化の原動力となることです。新しいモビリティの時代において、私たちは、芸術の域に達したエンジニアリング、最先端のデザイン、デジタル体験などで先進性を表現していますが、それだけではありません。私たちは、クルマの外の世界のことも考えています。将来的には、インフラの問題を含む包括的なモビリティソリューションが重要になります。私たちは、アウディ充電ハブ パイロットプロジェクトにより、将来のピーク需要に対応し、さまざまな場所で使用できる柔軟な急速充電コンセプトを開発しました」(ヴォートマン氏)

画像6: 「Vorsprung durch Technik」が50周年

新しい技術によって、モビリティの未来を切り拓いていく。変化をチャンスととらえ、その技術力によって時代をリードする自動車メーカーであり続ける。その意思表示が「Vorsprung durch Technik」であり、AudiがAudiであり続けるための原動力なのである。

(Text by Satoshi Ubukata)

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