140604-4C-4.jpg行ってきましたよ。長澤まさみ発表会。なぜこの催しの案内が私に届いたのかわかりませんが、届いたんだから出席しない理由はありません。 冒頭、なぜかフィアット・クライスラー・ジャパンのポンタス・ヘグストロム社長兼CEOが出てきてスピーチ。その後『水戸黄門』の3代目格さんを務めた伊吹吾郎をロン毛くるくるパーマにしたようなイタリア人が出てきて、イタリア語だったのでよくわからなかったんですが、どうやらデザインについて解説してるっぽかったです。

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そして、ついに長澤まさみ登場! 綺麗です。足がまっすぐ長い。プロフィールに身長168cmとありますが、絶対もっとあるはず。短いインタビューで「皆さんには自分がキラキラしていられるクルマに乗っていてほしいですし、それがアルファロメオだとうれしいです」などと語っていたようですが、見るのに夢中で覚えていません。

撮影のためにしばらくじっとしていたかと思うと、彼女は早々に退場。その後ろに置いてあった3台の赤いアルファロメオのうち、中央の「4C」とあるクルマにスポットライトが当たっていました。メディアも彼女の退場に対して特に反応することなく、ひたすらクルマの写真を撮るばかり。

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どうやら長澤まさみの発表会ではなく、アルファロメオ4Cの発表会だったようです......長々とくだらないことを書いてすみませんでした。長澤まさみって、僕がこれまでで最も感情移入した映画『モテキ』で主人公の相手役を演じた女優なので、彼女を見ると映画を思い出し、モヤモヤさせる思わせぶりなエンディングを思い出してしまうのです。

2013年のジュネーブショーで市販バージョンとしてデビューしたアルファロメオ4C(2011年には「4Cコンセプト」として発表)。あのショーでは、ラ・フェラーリ、マクラーレンP1、それにランボルギーニ・ヴェネーノと、超ド級スポーツカーが相次いでお披露目されたため、4Cが話題の中心になることはありませんでしたが、よく考えたら、アルファロメオのミドシップ・スポーツのデビューなんですから、なかなかのニュースですよね。その4Cを日本で発表するというのですから、フィアット・クライスラー・ジャパンとしても気合が入ったに違いありません。人気女優を起用するのもむべなるかな。

1750cc直4ターボをミッドシップする2シータースポーツです。最高出力は240ps/6000rpmとは、それだけでは"速さ"を連想しにくいスペックですが、カーボンモノコックの採用により車重が1100kgに抑えられているので、パワー・トゥ・ウェイトレシオは4.58kg/psと結構なお手前となっています。1to8.netらしくアウディを例に出すと、TTRSが1530kgで360psなので4.25kg/ps。4Cを若干上回ります。TTRSは2.5L直5ターボをフロントに積む4WDなのでいろいろと直接比較しにくい面はありますが、イメージとしてはあのくらいのパフォーマンスを発揮しそうですね。一番近いのはポルシェ・ボクスター/ケイマンでしょうか。

ところで、皆さんはアルファロメオのデザインについてどう思いますか? 僕は4Cのデザインをとてもアルファらしいと思います。アルファのデザインはどれも官能性を帯びながらも、単に"美しい"というのとはちょっと違うと思いませんか? ある種のエグみみたいなものを含んでいるような気がします。

いいかえると、見るほうに"アルファロメオの味わい方"みたいな素養がないと理解しにくいデザインだと思うのです。アルファのヒストリーについて詳しいとか、アルファロメオを乗りこなせるとか、親戚がイタリア人とか、なんでもいいんですけど、何かしらのアルファロメオ・リテラシーがないと、歴代アルファロメオのデザインを純粋に味わえないんじゃないかと。

4Cのロー&ワイドなフォルムは、スポーツカーとして王道的であり、問答無用のカッコよさといえますが、ヘッドランプ・ユニットは目が離れた昆虫(の複眼)のようでなかなかエグい。アルファロメオ・リテラシーを求められるデザインだと思います。往年のレーシングスポーツであるTIpo33ストラダーレがデザイン上の下敷きにあるようですが、確かに真横から見るとそういう雰囲気が漂います。シンプルな丸いリアコンビランプもクラシカルな演出として効果を発揮しています。

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アルファロメオって、現在のフィアット・クライスラー・グループにおいて、利益という面ではそれほど貢献度の高いブランドではないはずですが、時々ぶっ放すこうしたスペチアーレによって、よいイメージを思い切りブーストします。イタリアンブランドはこういうやり方が実にうまいですね。アルファロメオの何倍もクルマを売って、何倍もの利益を生み出すブランドはいくらでもありますが、アルファロメオよりもカッコいいブランドっていくつあるでしょうか。少なくとも日本やドイツの巨大ブランドの中からは見つけられません。

(Text by Satoshi Shiomi)

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